研究課題/領域番号 |
23K27035
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補助金の研究課題番号 |
23H02342 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
三好 悠太 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子技術基盤研究所 量子バイオ基盤研究部, 主任研究員 (60855724)
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研究分担者 |
日高 功太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 主任研究員 (80547232)
田畑 俊範 九州大学, 農学研究院, 助教 (80764985)
安武 大輔 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90516113)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 光合成産物転流 / 転流計測 / イチゴ / RIイメージング / 炭素分配 / 転流 / 光合成産物 / 師管 / 導管 / サップフロー |
研究開始時の研究の概要 |
施設果菜栽培において、生産性向上を計るには、葉での光合成を促進させると共に果実への光合成同化産物の転流を意図した栽培技術の開発が重要になる。本研究では、生育期間中の同化産物の転流動態をリアルタイムに計測可能な「転流計測システム」の開発を目的とする。実験室内で同化産物の転流速度を直接計測できるRIイメージング技術と果柄内のサップフローおよび果実蒸散速度のリアルタイム計測技術を融合させて新たな転流計測システムを創出し、慣行の栽培管理法における転流評価試験を通して有用性を実証する。本研究の遂行によって、従来の栽培管理法から新たな「ものさし」によって表現される転流動態を拠り所にしたものへと転換する。
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研究実績の概要 |
研究初年度である令和5年度は、課題1「リアルタイム転流計測システムの構築」について以下の内容に取り組んだ。 師管転流速と茎表面の熱伝達速度(サップフローの計測値)の関係性を評価可能なモデルの構築を目指し、果柄内部の任意断面をメッシュ分割し、軸対称熱輸送モデルを援用して、導管流および師管転流の影響を考慮した熱拡散動態解析を試みた。イチゴの果柄内部における導管・師管の走行や配置等の構造情報をX線CT撮像および組織切片の作成により取得した。また、モデルパラメータの取得を目指し、サップフローセンサをイチゴの主果柄に取り付け、RIイメージング装置に設置し、果柄の師管転流速とサップフローの変動を同時に解析可能な実験システムを構築した。師管転流速度の増減に相関してサップフローセンサの計測値も変動することから、サップフローセンサの活用により師管転流速度の変化を評価可能であることを示した。さらに、イチゴ主果柄を転流した同化産物の各果実への分配率の変化を記述するモデル構築を目指し、果実生育ステージの進行に伴いRIイメージング解析を実施して、果実の着果位置や熟度によって変化する同化産物の分配動態を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では、栽培現場で果実への光合成による同化産物の転流をリアルタイムに計測可能な「転流計測システム」の開発を目的として挙げている。研究初年度である令和5年度は、果柄内部の構造情報を取得して、導管流速・師管転流速と茎表面の熱伝達速度の関係性を評価可能なモデルの構築を進めるとともに、生育ステージの進行に伴い変化する各果実への同化産物の分配動態を明らかにした。研究当初の計画をおおむね達成しており、進捗状況を「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
導管流速、師管転流速と茎表面の熱伝達速度の関係性を評価可能な師管転流モデルの構築を引き続き推し進める。構築したモデルおよびサップフローセンサを活用し、「転流計測システム」の試作を開発し、実際の栽培施設へ導入してシステムの実証試験を進める。
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