研究課題/領域番号 |
23K27059
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補助金の研究課題番号 |
23H02366 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
井口 純 宮崎大学, 農学部, 准教授 (00437948)
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研究分担者 |
菊地 泰生 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20353659)
小椋 義俊 久留米大学, 医学部, 教授 (40363585)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 牛 / 病原細菌 / 腸内細菌 / 大腸菌 / 菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能な農業を実現する上で、より安全な畜産物を生産する基盤を構築する必要がある。家畜牛が保菌する腸管出血性大腸菌を含む複数の病原細菌は、ヒトの食中毒の原因となるが、その制御は難しく多くの感染者を出している。抜本的な対策として、病原細菌を保菌する家畜牛の絶対数を減らすことができれば、感染者数を減らすことができると考えるが、その制御技術は確立されていない。そこで本研究では、これまで知られていない「ウシ消化管のどこに、どのような環境下で病原細菌が定着しているのか」を理解し、その情報を基に生産段階での防除法の開発へと繋げる。
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研究実績の概要 |
家畜牛が保菌する病原細菌によるヒトでの腸管感染症は、公衆衛生上の問題となっており、安全な畜産物の持続的な生産の観点からも改善すべき課題である。本研究では、家畜牛の消化管に常在する病原細菌と腸内環境の空間的な特徴を総合的に理解し、病原細菌の生産段階における低減策の開発へと繋げることを目的とした。特に、感染者数が多く重症化しやすい腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Escherichia coli:EHEC)に注目して研究を進めた。食肉処理施設で2頭の家畜牛から消化管全体(第一胃から肛門まで)を取得し、上流から下流にかけて20箇所の検体を収集した。それぞれの検体(内容物)からDNAを精製し、16SrRNAによる菌叢解析とEHECのスクリーニングPCRを行った。さらに、それぞれの検体から選択分離培地を用いてEHECの分離を試みた。加えて、それぞれの検体から大腸菌(各検体につき最大20コロニー)を分離し、PCR法により血清型を決定した。菌叢解析の結果、菌叢の類似性は第一胃から第四胃、十二指腸から回腸、盲腸から直腸までの3箇所で大きく区分されることが明らかとなった。EHECは直腸のみから分離された。大腸菌は第一胃から第四胃と盲腸から直腸までで分離された。第一胃から第四胃では多様な血清型の大腸菌が確認されたのに対し、盲腸から直腸では大多数が特定の血清型であった。以上の結果より、牛消化管内における空間的な菌叢と大腸菌の分布の概要が明らかとなった。現在、菌叢とそれぞれの検体で見つかったEHECまたは大腸菌との関係についての解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年間4頭を計画していたが、菌叢解析の条件検討や分離株の詳細解析に時間を費やしたため、本年度は2頭の解析に留まった。
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今後の研究の推進方策 |
菌叢解析の条件検討と分離株の解析方法が確立したため、計画通り、年間4頭の解析を行う予定である。
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