研究課題/領域番号 |
23K27064
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補助金の研究課題番号 |
23H02371 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
五十嵐 学 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 准教授 (10374240)
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研究分担者 |
広川 貴次 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20357867)
阿部 貴志 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30390628)
松野 啓太 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 准教授 (40753306)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | エボラウイルス / マールブルグウイルス / 抗ウイルス薬 / 医薬分子設計 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
フィロウイルスに含まれるエボラおよびマールブルグウイルスは、ヒトに致死的な出血熱を引き起こす。その発生頻度は近年増加傾向にあり、原因ウイルス種も予測不能である。それゆえ、フィロウイルスに広く対応可能な治療薬開発が望まれている。一方、感染性フィロウイルスはBSL-4施設を備えた限られた機関でしか扱えず、治療薬探索には工夫が必要である。そこで本研究では、これまで申請者らが開発した計算手法を機械学習を用いて高度化し、配列と構造情報から、フィロウイルス種に共通する創薬標的部位を同定する技術を確立する。また、標的部位に対する阻害剤を設計・探索し、フィロウイルス種に広く効果を示す化合物を見つけ出す。
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研究実績の概要 |
フィロウイルスに含まれるエボラおよびマールブルグウイルスは、ヒトに致死的な出血熱を引き起こす。その発生頻度は近年増加傾向にあり、原因ウイルス種も予測不能である。そのため、フィロウイルスに広く対応可能な治療薬開発が望まれている。しかし、感染性フィロウイルスはBSL-4施設を備えた限られた機関でしか扱えず、治療薬探索には工夫が必要である。そこで本研究では、計算機解析を活用し、ウイルス蛋白質の配列と構造情報から、フィロウイルス種に共通する創薬標的部位を同定する技術を確立する。また、同定した標的部位に対する阻害剤を設計・探索し、フィロウイルス種に広く効果を示す化合物を見つけ出す。 ウイルスの増殖過程において、個々のウイルス蛋白質は、ウイルス蛋白質同士あるいは宿主分子と相互作用することで機能を発揮する。したがって、ウイルス蛋白質上の相互作用および機能に関連する部位(相互作用/機能部位)は、近縁ウイルス間で保存されている可能性が高い。このような部位は、フィロウイルスに幅広く効果を示す薬剤の標的になる可能性がある。本年度は、深層学習モデル Transformer を用いて、ウイルスのアミノ酸配列から蛋白質間相互作用に重要なモチーフ(Short Linear Motif: SLiM)を検出する手法の開発を行った。また、エボラおよびマールブルグウイルスの表面糖蛋白GPとエンドソーム受容体であるNiemann-Pick C1(NPC1)蛋白質との複合体構造を分子シミュレーションにより解析し、GP上のNPC1結合領域が両ウイルス共通の創薬標的部位となり得るかを検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
(1) ウイルス蛋白質の立体構造上で特徴的な物性を持つ領域や配列上の保存領域等を計算機上で探索し、フィロウイルスに共通する新たな機能領域を予測する。 (2) 予測した領域の生物学的重要性を、その領域に変異を導入したウイルス蛋白質を用いて、すでに確立された機能解析実験系により検証する。 (3) 機能的に重要と判断された領域は、抗ウイルス薬の標的になることが予想されるため、創薬標的としての可能性を計算機上で評価する手法を確立する。 (4) 既知の機能部位を標的に、立体構造情報に基づく医薬分子設計を行う。 (5) 得られた候補化合物の阻害活性を機能解析実験系で検証する。
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