• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ゲノム進化で獲得した産後雌特有のストレス対処機構

研究課題

研究課題/領域番号 23K27083
補助金の研究課題番号 23H02390 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分42030:動物生命科学関連
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

室井 喜景  帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (80552760)

研究分担者 永岡 謙太郎  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60376564)
近藤 大輔  帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90708364)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
キーワードストレス対処 / 産後雌 / ゲノム進化 / 前頭前皮質 / アドレナリン受容体
研究開始時の研究の概要

哺乳類の子育ての特徴として母親の負担が大きいことが挙げられる。そのため哺乳類は、子宮や乳腺など生殖に必要な臓器だけでなく養育期の負担に対処する仕組みも進化の過程で獲得してきたと考えられる。申請者らはこれまでに、亜慢性ストレスを受けた産後雌マウスが能動的ストレス対処行動(積極的にストレスを回避または除去する行動)を亢進することを明らかにした。さらにこの反応は雄や未経産雌でみられないため、産後雌特有の反応だと考えられる。本研究では、ゲノム進化の視点から産後雌特有のストレス対処反応を制御するメカニズムを明らかにすることを目的とする。

研究実績の概要

亜慢性的にストレスを与えることで産後雌マウスの能動的的ストレス対処行動が増加することがわかった。そこでストレス対処行動解析時の前頭前皮質のc-Fos発現を評価したところ、c-Fos陽性グルタミン酸作動性神経の数が増加することがわかった。そこで、化学遺伝学的手法を用いて前頭前皮質のグルタミン酸神経活動を亢進させたところ、強制水泳試験時の不動時間が産後雌と未経産雌で減少することがわかった。亜慢性ストレスに伴う前頭前皮質の変化を調べたところ、産後雌マウスだけでα2Aアドレナリン受容体発現量が減少することがわかった。さらにグルタミン酸神経におけるα2Aアドレナリン受容体の発現量も減少していた。そこで前頭前皮質の同受容体をノックダウンしたところ、産後雌だけで不動時間が有意に減少した。さらにα2Aアドレナリン受容体阻害薬のアチパメゾールを処置したところ、産後雌でc-Fos陽性のグルタミン酸作動性神経数が増加するとともに、強制水泳試験の不動時間が減少した。以上より、亜慢性ストレスは産後雌マウスの前頭前皮質グルタミン酸作動性神経に発現するα2Aアドレナリン受容体発現量を減少させてストレスに伴う前頭前皮質のグルタミン酸作動性神経の活動を亢進し、能動的ストレス対処行動を亢進することがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに亜慢性ストレスを受けた産後雌マウスが能動的ストレス対処行動を亢進することを明らかにした。さらにこの反応は雄や未経産雌でみられないため、産後雌特有の反応であることがわかった。亜慢性ストレスを受けた結果、産後雌の前頭前皮質が変化することでストレス対処行動が変化することがわかった。より詳細に解析するために必要なツールの準備が進んでおり、予定通りに計画を実施できる見込みである。

今後の研究の推進方策

亜慢性ストレス負荷により産後雌の前頭前皮質のα2Aアドレナリン受容体の発現がどのような機序で調節されているのかをより詳細に明らかにしていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi