研究課題/領域番号 |
23K27093
|
補助金の研究課題番号 |
23H02400 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
井上 梓 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (60814910)
|
研究分担者 |
松川 和嗣 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 准教授 (00532160)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
|
キーワード | ヒストン修飾 / 卵子 / ヒストン |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の卵は受精後の発生を支える能力(発生能)を有しているが、その分子実体はよくわかっていない。我々はこれまでマウスモデルを用いて、卵のクロマチンに付加された母性ヒストン修飾が受精後の胚発生に重要な機能を発揮することを見出してきた。本研究では、ウシ卵・初期胚における母性ヒストン修飾の機能解明に取り組み、ウシ卵の発生能を下支えする分子機序を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
【井上】H3K4脱メチル化酵素KDM5BのmRNAをウシMII期卵に顕微注入することで母性H3K4me3を消去することに成功した。コントロール群としてKDM5B酵素活性部位に点変異を導入したKDM5Bを用いた。これらの卵子を活性化させて雌性単為発生胚を作製し、胚盤胞への発生率を調査した。しかしコントロール群の発生率が実験回で安定しなかったため、H3K4消去に必要十分なmRNAの濃度検討や顕微注入時期の検討などをおこなった。
【松川】初期胞状卵胞由来の卵子顆粒層細胞複合体がGV期卵まで効率的に発育する培養方法の検討をおこなった。具体的には、IVG 培地にα-MEMを基礎培地とし、4%ポリビニルピロリドン(K-90)、4 mM ヒポキサンチン、11mM グルコース、0.9 mM ピルビン酸、0.1 mM デキサメタゾン、50 μg/ml アスコルビン酸、55 μg/ml L- システイン、5%FCS、0.02 mAU/mL FSH、1 μg /ml17 β- エストラジオール(エタノール溶媒、1000 倍)および抗生物質を添加したものを用いた。食肉センターよりウシ卵巣を採取し、実験室にてウシ卵巣の表面を薄く剥離し、実体顕微鏡下で剥離した切片上にある400-700 μm の初期胞状卵胞より卵子顆粒層細胞複合体を採取した。採取した卵子顆粒層細胞複合体は96 ウェルプレートにXanthan Gum-Locust Bean Gum ゲルを敷き、200 μL のIVG 培地中で16 日間培養を行い、2日置きに発育の指標である腔の形成を確認した。1つの卵巣当たり回収できる初期胞状卵胞の数が少なく (10~20個/卵巣)、さらに16日間後に腔の形成が確認できる卵子顆粒層細胞複合体の割合が低率であった (約10%)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
井上の方で本研究を主に担当していた研究員の異動があり、諸々の調整が必要になったため。
|
今後の研究の推進方策 |
【井上、松川】H3K4消去に必要十分なKDM5B mRNAの濃度検討や顕微注入時期の検討などをおこない、コントロール群の発生率が安定する条件を確定させたのち、初期胚の発生と遺伝子発現を精査する。
【松川】R5年度のIVG培養法を基盤として、効率的な初期胞状卵胞の回収方法、三次元培養、培養液の改良を行い、ウシIVG技術を確立する。さらに、作出した卵子顆粒層細胞複合体にsiRNAを顕微注入する方法を検討する。
|