研究課題/領域番号 |
23K27095
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補助金の研究課題番号 |
23H02402 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
中西 友子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10344863)
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研究分担者 |
古川 洋一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20272560)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | アデノウイルスベクター / Cas9 nickase / ノックイン / セーフハーバー領域 / cDNA / フェニルケトン尿症 / CSIRPR/Cas9 / 遺伝子治療 / Rosa26 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム編集による遺伝子治療技術は、遺伝病やがんなど難治性疾患の根治につながる革新的な技術として期待されるが、オフターゲット変異や染色体の切断による転座のリスク等、従来の遺伝子治療とは異なる安全性の課題がある。本研究では、Cas9 nickaseとガイドRNAを複数同時に発現する独自のアデノウイルスベクターを利用して、セーフハーバー領域にcDNA発現ユニットをノックインする、二本鎖切断を伴わない安全なin vivoゲノム編集治療システムの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
ゲノム編集による遺伝子治療技術は、遺伝病などの難治性疾患の根治につながる革新的な技術として期待されている。しかし遺伝病は点変異が原因であることが多く、点変異は患者や家系ごとに異なるため、点変異の修復では家系の数だけベクターが必要となる。点変異修復ではなく正常タンパク質の発現ユニットをゲノムにノックインできれば、「1遺伝病1ベクター」が実現するが、技術的に難しい。そこで、アデノウイルスベクター(AdV)の搭載容量が最大8kbであることを利用し、変異部位はそのままで、治療用遺伝子発現ユニットを セーフハーバー領域に組込んで安全に治療できる「発現ユニットノックインベクター」システムの構築を目指している。今年度は、フェニルケトン尿症マウスの治療モデル確立に向けて、正常な Pah cDNAの発現ユニットとそれを挟む左右の1.7 kb および 1.9 kb のアーム配列、およびノックイン細胞のin vivo濃縮を可能とするCypor shRNA発現ユニットからなる6kb超のドナーDNAを持ち、マウスセーフハーバー領域Rosa26を標的とするガイドRNAを発現するAdVを構築した。またノックインが起きたことが容易に確認可能となるコントロールベクターとして、Pahの代わりにGFPを挿入したAdVも同時に構築した。このAdVをCas9発現AdVとともにHepa1-6マウス細胞に感染させたところ、ドナーDNAの発現ユニット部分が2.5kb超であるにも関わらず最大7%のノックイン効率を得られ、shRNAの標的であるCypor mRNA は10%以下に減少した。このベクターはcDNAを取り替えるだけで様々な先天性代謝異常症を標的としたノックイン治療ベクター構築に応用できると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスRosa26領域に遺伝子発現ユニットをノックインできるアデノベクターを作製し、in vitro実験で最大7%でノックインが起きる系を構築することができた。多くの代謝異常疾患では治療に必要な酵素量が正常の数%であること、発現ユニットノックインでは本来のプロモーターの約20倍強力なプロモーターが使えること、またノックイン細胞の濃縮が可能であることから、in vivo実験においても遺伝子の発現補填が十分可能だと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
GFP発現ユニットをRosa26にノックインできるドナーDNA搭載アデノベクターは、Cas9発現アデノベクターと共にC57BL/6に接種してin vivoノックイン効率を解析するとともに、アセトアミノフェン投与によりCypor shRNA発現抑制がおきるGFP陽性ノックイン細胞が選択的に増えることを確認する。In vivoノックイン系構築後は、フェニルケトン尿症マウスに原因遺伝子Pahの発現ユニットをノックインできるアデノベクターを接種し、高フェニルアラニン血症の改善について解析を行う。また、Rosa26だけでなくヒトセーフハーバー領域であるAAVS1を標的として遺伝子発現ユニットをノックインできるアデノベクターを構築し、ヒトでの治療も視野に入れたシステムの構築を進める。
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