研究課題/領域番号 |
23K27116
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補助金の研究課題番号 |
23H02423 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
長尾 遼 静岡大学, 農学部, 准教授 (30633961)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2026年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 光合成 / 集光性色素タンパク質 / 光化学系I / 分子集合 / 光捕集 / 分子集合機構 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、光合成の光捕集機構に関与する集光性色素タンパク質(LHC)の分子集合機構の解明を目的とする。LHCの遺伝子数が少ないモデル生物を使用し、野生株やLHC欠損株からPSI-LHCを精製し、機能構造研究を実施する。遺伝子欠損させたLHCの代わりに他のLHCが結合するのか、もしくは何も結合しないのか、LHCの結合制御に関する分子基盤を得る。
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研究実績の概要 |
本研究は、光合成の光捕集機構に関与する集光性色素タンパク質(LHC)の分子集合機構の解明を目的とする。LHCの遺伝子数が少ないモデル生物を使用し、野生株やLHC欠損株からPSI-LHCを精製し、機能構造研究を実施する。遺伝子欠損させたLHCの代わりに他のLHCが結合するのか、もしくは何も結合しないのか、LHCの結合制御に関する分子基盤を得る。 既に報告した論文(Nagao et al., 2023 Nature Communications)では、6個のLHCサブユニットのうち、3個が未同定のまま残っている。当該年度では、6個すべてのLHCサブユニットを同定するために、野生株からのPSI-LHC超複合体のクライオ電子顕微鏡による撮影を行った。精製条件やグリッド作成条件を検討したが、未同定サブユニットの同定には至らなかった。 当該年度では、4つのLHC遺伝子(isiA1, isiA2, isiA3, isiA5)のうち、isiA1とisiA2それぞれの遺伝子欠損株を分析した。isiA2において、mRNAレベルではisiA2の発現が確認されず、他の3つの遺伝子の発現は検出された。この株からPSI-LHCを精製し、クライオ電子顕微鏡による構造解析を実施したが、IsiAタンパク質は一切見られなかった。生化学分析からもIsiAタンパク質が確認できなかったため、isiA2遺伝子の欠損ではIsiAタンパク質の翻訳や分子集合に影響を与えているのかもしれない。 isiA1遺伝子の欠損株を分析した。この株からPSI-LHCを精製したところ、IsiA2, IsiA3が検出された。isiA5はisiA1とオペロンを形成しているため、isiA1欠損の影響を受けて発現が低下した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
isiA1, isiA2それぞれの遺伝子欠損株の分析まで進めた。予想と反し、isiA2欠損株からはPSI-LHCが精製されないと結論づけられた。一方、isiA1欠損株からはPSI-LHCが精製できたため、次年度以降にクライオ電子顕微鏡による構造解析の準備ができた。isiA5欠損株についても予備的な分析を進めているため、全体としては順調だと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
野生株からのPSI-LHC超複合体のクライオ電子顕微鏡による撮影および構造解析を実施する。2023年度にグリッド作成条件を検討したため、これを2024年度に試す。 isiA1遺伝子欠損株から精製したPSI-LHCの生化学分析およびクライオ電子顕微鏡撮影用のグリッド作成条件を検討する。 isiA5遺伝子の欠損株を分析する。細胞レベルでの光合成分析、特に蛍光分光測定を実施し、isiA由来の特徴的な蛍光ピークを確認する。さらに、この変異体からPSI-LHCの精製条件を確立する。
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