研究課題/領域番号 |
23K27122
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補助金の研究課題番号 |
23H02429 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤岡 優子 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (80399964)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2025年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2024年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | オートファジー |
研究開始時の研究の概要 |
オートファジーは細胞内の主要なタンパク質分解経路の一つであり、細胞の恒常性の維持に重要な役割を担っている。我々はオートファジーの始動点である前オートファゴソーム構造体(PAS)の形成機構に興味をもち研究を進めた結果、PASはAtgタンパク質が液-液相分離することで形成された液滴であることを世界に先駆けて突き止めた。本研究ではPASはオートファジーの進行に必要な生化学反応を担う反応槽であるという仮説の元、in vitro再構成実験を中心に、PAS液滴のオートファジー進行における本質的役割を明らかにする。
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研究実績の概要 |
オートファジーは細胞内の主要なタンパク質分解経路の一つであり、細胞の恒常性の維持に重要な役割を担っている。本研究ではオートファジーの始動点である前オートファゴソーム構造体(PAS)がオートファジーの進行に必要な生化学反応を担う反応槽であるという仮説の元、in vitroで再構成したPAS液滴を用いてオートファジーに必須な酵素反応を再現し、その仮説を検証する。 本年度はPAS液滴がユビキチン様タンパク質であるAtg8の脂質化反応を促進するメカニズムを明らかにした。具体的には、まずE3様酵素であるAtg12-Atg5-Atg16複合体がPAS液滴に濃縮するメカニズムを解析した。AlphaFold2を用いた複合体構造予測で、Atg12の天然変性領域がAtg17に特異的に結合することが予測された。そこで、この相互作用の重要性をin vitroプルダウンアッセイ、核磁気共鳴分光法、等温滴定型カロリメトリー等で確認するとともに、立体構造をもとに相互作用を減弱させる変異体を同定した。同定した変異体ではAtg12-Atg5-Atg16複合体がin vitro のPAS液滴および出芽酵母 PASに局在できないことを明らかにし、 “PAS移行シグナル(PAS Localization Signal, PLS)”を同定した。また、液滴はAtg8を脱脂質化してリサイクルする働きのあるプロテアーゼAtg4を排除することで、反応産物を分解から保護する働きも担うことをin vitro再構成実験によって示した。つまり、PASの相分離には反応促進分子の濃縮と反応阻害分子の排除という2通りの方法でタンパク質の脂質化という目的を達成する役割があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の通り、今年度はin vitro再構成実験および出芽酵母を用いた実験をとおして、PAS移行シグナルを同定した。また、in vitro再構成実験を用いて、液滴には酵素反応を促進する機能に加えて、反応産物を分解から保護する働きがあることを示した。これらのことから、本研究課題はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、前述の結果を論文として報告するためにデータを定量化する。続いてPAS液滴に組み込まれたAtg8脂質化膜小胞の形態解析を行う。酵母のPASではAtg9小胞が互いに融合することで初期隔離膜になると予想される。そこでPAS液滴に取り込まれた膜小胞が融合する条件を共焦点顕微鏡によるライブイメージングやレプリカ電子顕微鏡、ホログラフィック顕微鏡などを用いて検証する。その際、膜小胞へのAtg9の組み込みや他のAtg因子の添加が膜形態に与える影響も解析する。
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