研究課題
基盤研究(B)
地球上ほぼ全ての光合成真核生物に存在する光合成を営む葉緑体は、昔、既にミトコンドリアを確立させた真核細胞と、酸素発生を伴う光合成を営むシアノバクテリアとの間で成立した内共生にその起源を有する。葉緑体は現在でもゲノムを持つが、コードされる蛋白質は100種類程度であり、葉緑体機能を支える遺伝子の大部分は核ヘ移っている。現在では2000種類を超える葉緑体蛋白質が核コードで、サイトゾルで合成されたのち、葉緑体へ運ばれる必要がある。「葉緑体への蛋白質輸送機構がどのように確立し実際に作動しているのか?」「葉緑体蛋白質輸送機構の変化が藻類や植物の進化に与えたインパクトは何か?」が、本研究の「問い」である。