研究課題/領域番号 |
23K27183
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補助金の研究課題番号 |
23H02490 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荻沼 政之 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (50825966)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2025年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 発生時計 / ターコイズキリフィッシュ / 時計 / ゼブラフィッシュ / 休眠 / 時間 / ターコイズキリフィツシュ / ビタミンD |
研究開始時の研究の概要 |
動物胚には発生の進行度を正確に測定し胚全体の発生速度を能動的に制御する時計機構が存在し、その時計は種ごとの特有の時間で進むと考え られているが、それに関わる分子や伝達経路は未だ謎のままである。最近、我々は内分泌因子であるビタミンDが小型魚類胚の発生速度を自在 に操る時間制御ホルモンとして作用すること、また胚の時間の流れを感知する時間司令塔細胞が受精卵内を徘徊しており、その細胞がビタミン Dの産生を調節することで時間を制御している可能性を見いだした。そこで本研究は、ビタミンDシグナルの制御機構を手掛かりにして発生時計 の分子機構の詳細を解明する。
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研究実績の概要 |
動物胚には、発生の進行度を正確に測定し、胚全体の発生速度を能動的に制御する時計機構が存在する。この時計は、種ごとに特有の時間で進行すると考えられていますが、それに関わる分子や伝達経路は未だに謎のままである。最近、我々は内分泌因子であるビタミンDが小型魚類胚の発生速度を自在に操る時間制御ホルモンとして作用し、また胚の時間の流れを感知する時間司令塔細胞が受精卵内を徘徊しており、その細胞がビタミンDの産生を調節することで時間を制御している可能性を発見した。そこで本研究では、ビタミンDの生産やシグナル活性と発生の進行速度を定量評価できる発生時計評価システムを確立する。次に、ビタミンDシグナルの制御機構を手掛かりにして、発生時計の分子機構の詳細を解明する。また、発生速度が大きく異なる2種の小型魚類間でビタミンDの働きを比較することで、種ごとに発生速度の異なりを生む機構も明らかにすることが目的である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
<計画1> 発生時計評価システムの確立: 発生時計の仕組みを明らかにするためには、ビタミンDが生産調節される過程、細胞内のビタミンDシグナルの活性、発生の進行速度を定量的に計測する必要がある。本年度は、ビタミンDの生産調節能力とビタミンDシグナルの応答活性を可視化、定量化できるレポーターフィッシュの作製に成功した。さらに、発生の進行速度を測るために、一定時間周期で形成される体節形成過程を可視化し、定量化するレポーターキリフィッシュも作製にも成功した。 <計画2> 発生時計制御機構の解明: ビタミンDは胚の全体速度を調節する時間制御ホルモンとしての作用があるが、その下流経路は依然として不明です。申請者はこれまでの予備的結果から、ビタミンDシグナルは胚の細胞内温度を調節することで時計機構として働くと推測していた。そこで、本年度は量子科学技術研究開発機構の五十嵐博士と共同研究を行い、ナノダイヤモンドセンサーを用いたキリフィッシュ胚の温度計測を行った結果、胚の絶対温度を正確に測ることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
<計画1> 発生時計評価システムの確立: 発生時計の仕組みを明らかにするためには、ビタミンDが生産調節される過程、細胞内のビタミンDシグナルの活性、発生の進行速度を定量的に計測する必要がある。本年度、ビタミンDの生産調節能力とビタミンDシグナルの応答活性を可視化、定量化できるレポーターフィッシュの作製に成功した。さらに、発生の進行速度を測るために、一定時間周期で形成される体節形成過程を可視化し、定量化するレポーターキリフィッシュも作製にも成功した。そこで今後は、これらのレポーターキリフィッシュを用いて、ビタミンDと発生速度の相関を正確に調べる。 <計画2> 発生時計制御機構の解明: ビタミンDは胚の全体速度を調節する時間制御ホルモンとしての作用があるが、その下流経路は依然として不明です。申請者はこれまでの予備的結果から、ビタミンDシグナルは胚の細胞内温度を調節することで時計機構として働くと推測していた。本年度、量子科学技術研究開発機構の五十嵐博士と共同研究を行い、ナノダイヤモンドセンサーを用いたキリフィッシュ胚の温度計測を行った結果、胚の絶対温度を正確に測ることに成功した。そこで今後は、ナノダイヤモンドセンサーと発生時計評価システムを組み合わせて、胚内のビタミンD濃度を薬理的に操作して胚内温度と発生速度を定量し、ビタミンDが温度制御を介して発生速度を制御するかどうかを調査します。さらに、最近我々が見つけたビタミンDの下流の熱産生遺伝子SERCA、SLC25A20、glycerol kinaseについても、キリフィッシュ高速遺伝子解析法 (Oginuma et al., Sci Rep. 2022)による遺伝子ノックアウトや、GAL4-UASシステムを用いた過剰発現を行い、胚内温度と発生速度を測定し、これらの遺伝子が胚の温度調節および発生速度制御に必要かどうかを調査します。
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