研究課題
基盤研究(B)
これまで環境中の栄養塩可給性が低下すると、植物の種多様性も大きく低下すると考えられてきた。ところが、全球的に植生データが蓄積するにつれて、熱帯林で卓越するリンの欠乏は、植物群集の種多様性を高めることが明らかになってきた。本研究では、植物のリン欠乏への応答が、これまで多くの知見が蓄積している窒素欠乏への応答とは異なることに着目する。リン欠乏環境下では、リンの利用、吸収を効率化するメカニズムが多様に存在する。このため、リン制限は共存する植物種間の戦略の収斂ではなく多様化をもたらすと考えた。この仮説を検証し、生態系と多様性について新たな関係を解明する。