研究課題/領域番号 |
23K27280
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補助金の研究課題番号 |
23H02589 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
礒村 宜和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00415077)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2025年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2024年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 報酬 / 大脳皮質 / 大脳基底核 |
研究開始時の研究の概要 |
ラットは行動の報酬が1試行おきに与えられる状況を容易に理解できる。この特性を利用し、報酬と無報酬が規則的(交互)な試行群(ブロック)と不規則的な試行群を繰り返すオペラント学習課題に関連して、大脳皮質(前頭前野・海馬)と大脳基底核(黒質緻密部・腹側被蓋野、腹側・背内側線条体)の神経細胞サブタイプが示す報酬予測や報酬予測誤差のスパイク活動を解析する。これらの報酬情報の実装様態から、1)試行単位での報酬予測(前試行の結果から現試行の報酬を予測する)、2)試行群単位での報酬予測の制御(報酬予測が可能か不能かの状況判断)の2階層の報酬予測機能の神経回路基盤を解明する。
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研究実績の概要 |
動物は生存のために環境の変化に応じて行動を最適化する。例えば、ラットが特定の行動をとると報酬を得られる行動課題では、試行錯誤の末に最適な行動を見出して報酬を効率よく獲得できるようになる(オペラント学習)。このオペラント学習には大脳皮質と大脳基底核が重要な役割を担っている。本研究では、特に「規則性」に基づいて報酬獲得を内的に予測できる/できない状況において、大脳皮質と大脳基底核(線条体・側坐核、黒質緻密部・腹側被蓋野)の報酬予測の神経活動とドーパミン伝達を解析することにより、内的な状況判断に応じて報酬予測を制御する神経回路基盤に迫ることを目標とする。 本研究では、ラットが前肢でレバー操作を成功する試行のたびに、報酬Rと無報酬Nを交互に(交互報酬R-N-R-N-)またはランダムに(不規則報酬R-N-N-R-R-)与えられる試行ブロックからなる「交互/ランダム報酬課題」をオペラント学習させる(Yoshizawa et al. bioRxiv, 2023)。交互報酬は規則性から予測できる最も容易な条件、不規則報酬は予測が完全に不可能な条件であり、両者の期待値は0.5である。このときの大脳皮質や大脳基底核の神経活動とドーパミン伝達を行動生理学的に解析する。 本年度は、ラットが交互/ランダム報酬課題を遂行しているときの側坐核や背内側線条体におけるドーパミン放出の計測データを積み増してさらに詳細に解析した(吉澤知彦ら, 第46回日本神経科学大会)。また過去の行動(押す・引く)と結果(報酬・無報酬)の経験に基づき現在の行動を選択するラットにおいて、黒質緻密部のドーパミン細胞と背内側および背外側線条体の直接路および間接路の投射細胞の活動を計測したところ、いずれの細胞も報酬期待の高まりに応じて活動が増加することを見出した(Rios et al. Commun Biol, 2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿って規則性による報酬予測の行動実験系を確立し、大脳基底核(線条体・側坐核、黒質緻密部・腹側被蓋野)の神経活動の計測を順調に推進している。その成果は学会発表として中間報告をおこない、また大脳基底核の報酬期待に関連する活動動態の研究成果を原著論文として発表した。以上より研究計画はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続きラットの交互/ランダム報酬課題に関連する大脳基底核(特に線条体/側坐核と黒質緻密部/腹側被蓋野)の活動を計測し、その背景にある内的な報酬予測の仕組みと役割に迫りたい。
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