研究課題/領域番号 |
23K27292
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補助金の研究課題番号 |
23H02601 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
合同審査対象区分:小区分47010:薬系化学および創薬科学関連、小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
鳴海 哲夫 静岡大学, 工学部, 准教授 (50547867)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | アルケン型ペプチド結合等価体 / ヘリックス構造 / β-シート構造 / HBV / アミロイド / バイオイオスター(生物学的等価体) / α-ヘリックス構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、中分子ペプチド創薬に有用なアルケン型ペプチド結合等価体(ADI)を基盤とする創薬研究を推進する。具体的には、アルケン上に種々の置換基を有するADIを創薬テンプレートとなるペプチド二次構造に適用し、各等価体の二次構造を誘起・安定化する能力を解明し、それらの知見を最大限活用することで、B型肝炎やアミロイドーシスの創薬に資するペプチドミメティックを創出する研究課題である。
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研究実績の概要 |
本研究では、ペプチド二次構造に種々のADIを応用することで, それぞれのADIが二次構造を誘起・安定化する能力の解明を目指した。
-α-ヘリックス構造に適したADIを明らかにするために、結晶性に優れ、詳細な構造解析が期待できるヘリックスペプチドLLXLLLL(X = Ac5c)のAc5c-Leuペプチド結合を種々のADIに置換したヘリックスミミックの合成研究を進めた。以前の研究ではラセミ合成であったAc5c-Leu型CADI(クロロアルケン型ADI)の立体選択的合成法を開発した。また、アジリジン環形成段階の遷移状態を解析したところ、塩素原子の非共有電子対(Lp)と硫黄-炭素結合の反結合性軌道間に働くn(Cl)→σ*(S-C)相互作用が選択性発現に重要であることが明らかになった。あわせて、Ac5c-Leuペプチド結合を(Z)-フルオロアルケン骨格に置換したFADI(フルオロアルケン型ADI)の立体選択的合成法も開発した。また、合成したそれぞれのADIはペプチド鎖に導入できることを確認した。
-β-シート構造に適したADIを明らかにするために、逆平行β-シート構造を形成する結晶性AβペプチドKLVFFAEのPhe-Pheペプチド結合を種々のADIに置換したβ-シートミミックの合成研究を進めた。これまでに報告した合成法をもとに、CADI型およびFADI型ミミックの合成に成功した。また、カルボニル酸素等価体を持たないEADIの改良合成法を開発し、本合成法を用いてEADI型ミミックの合成にも成功した。さらに7残基のβシートペプチドにCADIを応用したCADI型ミミックは、対応するFADI型ミミックに比べ、βシート性が高いことが示唆され、アルケン上の置換基がペプチド二次構造に大きく影響することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ADIの二次構造特性を精査するモデルペプチドの立体選択的合成法を開発し、それぞれの配列に対応する種々のADIの合成に成功している。また、β-シートミミックについては、ペプチドミメティックの合成にも成功し、R6年度に予定していた構造解析を前倒しで進めている。以上のことから、研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
合成した種々のADIをヘリックスペプチドに応用したペプチドミメティックを合成し、α-ヘリックス構造に適したADIを明らかにする。R7年度に予定している応用研究を視野に入れ、予察研究で見出したHBVのカプシド多量体形成を阻害するペプチドのアラニンスキャンによって阻害活性に重要なアミノ酸を同定し、ペプチダーゼ処理や構造解析を行い、ADIを導入する配列を決定する。
合成したADI含有βシートミミックの分子構造をCD測定やX線結晶構造解析により明らかにし、βシート構造に適したADIを明らかにする。また、R7年度に予定している応用研究を視野に入れ, 各β-シートミミックのアミロイド線維形成能も解析する。
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