研究課題
基盤研究(B)
キュバンに代表されるカゴ型多面体小分子にはキラリティを与えることができる。この分子群は,生理活性分子のベンゼン骨格と置き換え,その活性を改良するベンゼン生物学的等価体としての機能に加え,光学活性という複雑性を与えるものと期待されている。しかし,それらの光学活性体の合成は,これまで報告がなかったが,キュバン-クネアンの異性化における不斉誘導に成功した。そこで,このようなカゴ型分子からあらたなカゴ型分子への不斉異性化と骨格異性化を利用する「キュバン骨格編集」という概念を創出し,一連の分子群を合成する化学を展開している。この合成研究に加え,振電相互作用による量子化学計算により反応の記述を完全に行う。