研究課題/領域番号 |
23K27305
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補助金の研究課題番号 |
23H02614 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
合同審査対象区分:小区分47010:薬系化学および創薬科学関連、小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
林 良雄 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (10322562)
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研究分担者 |
谷口 敦彦 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (30790125)
神谷 亘 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60551421)
今野 翔 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (70882190)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | プロテアーゼ阻害剤 / 抗ウイルス剤 / ペプチドー薬物架橋体 / 創薬 / ケミカルバイオロジー |
研究開始時の研究の概要 |
独自に開発したアリールケトン型3CLプロテアーゼ阻害剤 YH-53 から新規不可逆的阻害剤を誘導し、これを基に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬の創製を目指す研究である。具体的には、3CLプロテアーゼを駆逐できる新規阻害分子の創製を実施する。そのため、先ず可逆的阻害剤YH-53から不可逆的阻害剤への変換を行う。3CLプロテアーゼの活性中心に特異的に反応し、当該酵素を完全に失活させるが、一方で生体分子との反応性を極力抑えることができる安定な構造を見出す。さらに得られた阻害剤をPROTACなど複数のデグレーダーと架橋することで、ハイブリッド型阻害剤に導く。
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研究実績の概要 |
本研究は、申請者が 独自創製したアリールケトン型SARS-CoV-2 3CLプロテアーゼ(3CLpro)阻害剤YH-53を基盤とする不可逆的阻害剤を基にCOVID19治療薬創製を目指す研究である。具体的には、ニューモダリティの要素を融合させた4つの方向性、すなわち ① 不可逆的阻害剤YH-202からの新規誘導体の創製、② 不可逆的阻害剤基盤のPROTAC、③ 不可逆的阻害剤をペイロードとするADC、④ 不可逆的阻害剤ー光酸素化触媒架橋体の創製を目指す。 初年度(2023年度)は、① 不可逆的阻害剤YH-202からの新規誘導体の創製、② 不可逆的阻害剤基盤のPROTACの創製に注力した。新規不可逆的誘導体の創製では、ファイザー社が開発に成功したニルマトレルビルと我々の不可逆的阻害剤の構造を融合した誘導体の設計・合成を実施した。その結果、我々の不可逆的阻害のWarHeadであるテトラフルオロベンゼンをニルマトレルビルの基質認識構造に融合させたTUP-4は良好な阻害活性を示すことが明らかとなった。そこで、このTUP-4を基盤に、ニルマトレルビルのP3位に当たるtBu-Leu部分の誘導体を複数合成した。その結果、当該誘導体では、P3位にはD-TyrまたはD-Pheが良好な阻害活性に適していることを見出した。一方、②の不可逆的阻害剤基盤のPROTAC研究において、 YH-53を基盤に複数のPROTAC分子を合成した。その結果、良好な3CLpro阻害活性を示す架橋体が得られた。しかし、結果として、感染細胞レベルでの実験系においては3CLproの分解について有効な活性を得られなかった。この理由としては、当該PROTAC分子の細胞透過性に問題がある可能性が考えられる。原因究明に時間がかかると思われ、不可逆的阻害剤基盤のPROTAC研究は一旦休止することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
① 不可逆的阻害剤YH-202からの新規誘導体の創製においては、良好な阻害活性を示す新たな誘導体を創製することができたことから、概ね計画は順調に進捗している。次年度もさらに新規誘導体の創製を継続したい。一方、研究実績の概要で記したように、不可逆的阻害剤基盤のPROTACの創製においては、細胞において3CLProのデグレーダーとして機能するPROTACは、残念ながら得られなかった。そこで、本計画は一旦停止し、新たなデグレーダー創製の計画に移行したい。
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今後の研究の推進方策 |
上記の状況を鑑みて、2024年度以降は、本課題の目的に資する具体的なCOVID-19治療薬の創製として、① 不可逆的阻害剤YH-202からの新規誘導体の創製を引き続き実施すると共に、④の不可逆的阻害剤―光酸素化触媒架橋体の創製による3CLproの完全不活化剤の創薬に注力したい。具体的な研究内容として、①では3CLproの活性中心SH基に特異的な反応性を有し、3CLproを完全に失活できる新たな阻害剤の創製を実施する。特に、warhead部分へは生体分子とはほとんど反応しない安定な反応性基の導入による構造の最適化を目指す。そして、阻害剤単体としてCOVID-19治療薬候補化合物となり得るかについても可能性を検討していきたい。さらに、殺細胞活性を有する薬剤との架橋体の分子設計・合成を進めることで、3CLpro阻害剤を基盤としたダブルドラッグの可能性も検討してみたい。③ 不可逆的阻害剤をペイロードとするADCの創製に関しては、Trp残基を標的としたIgGの選択的な架橋法の開発も検討を始めたい。この独自Trp残基修飾技術を基盤に、抗体上へ上記検討により得られる不可逆的阻害剤を架橋し、ウイルス粒子や感染細胞を標的とするADC基盤の3CLpro不活化法の開発につなげることを目指したい。
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