研究課題/領域番号 |
23K27335
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補助金の研究課題番号 |
23H02644 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊藤 晃成 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (30323405)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | HLA / 特異体質毒性 / 過敏症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、薬物過敏症とHLA多型の関連に焦点を当て、特にHLAで提示されるペプチドに薬物が非共有的に結合し、形状変化を通じてT細胞受容体が活性化するpharmaco-immune(p-i)仮説の検証を目的とする。我々は、B57:01とアバカビル(ABC)、B15:02とカルバマゼピン(CBZ)の組み合わせを用い、ERストレスの発生及び細胞表面の未成熟HLA出現の有無が免疫応答及び皮膚炎症に与える影響を、in vitroおよびin vivoで解析する。この研究により、薬物過敏症の発症機序の理解が深まることが期待される。
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研究実績の概要 |
カルバマゼピンによる重症薬疹と関連するHLA-B*15:02多型を導入したマウス(B*15:02-Tg)に対しカルバマゼピンを連日投与し、免疫学的、外見的な変化が見られるか調べた。具体的には、過去に我々が確立した、アバカビル過敏症マウスモデルにおいて免疫寛容に関わるPD-1遺伝子を欠損させ、さらにCD4細胞も除去するという条件を参考に、B*15:02-Tgにおいても、抗PD-1抗体と抗CD4抗体を前処理した上でカルバマゼピンを連日投与する条件で検討を行った。投与2週間目まで投与を行い、1週間目、2週間目でリンパ節と脾臓のCD8T細胞の活性化をB*15:02-Tgとリッターメイト(LM)間で比較したが、両マウスでカルバマゼピン投与による反応に差を認めなかった。過去の報告で、B*15:02遺伝子を導入した別系統のマウスにおいては、カルバマゼピンによる重症薬疹の発症患者で特徴的に認められたT細胞受容体を遺伝子導入したマウスCD8T細胞を移植し、ここにカルバマゼピンを投与すると皮膚粘膜の炎症が再現できたとされている。今回我々が得た結果も、カルバマゼピンによるB*15:02依存する免疫活性化を介した重症薬疹発症にはB*15:02のみでは不十分で、加えて特定のT細胞受容体が必要なことを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アバカビルあるいはカルバマゼピンをそれぞれHLA-B*57:01、HLA-B*15:02を発現する細胞に曝露後、細胞表面のHLAに結合している薬物量の経時変化を調べる予定だったが、LC-MS/MSの不調により定量が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
B*15:02について、特殊なT細胞受容体の必要性が示されたため、重症薬疹患者で認められているT細胞受容体を発現させた細胞を作成し、HLA-B*15:02発現細胞との共培養の有無、カルバマゼピン曝露の有無の各種条件を組み合わせたときの細胞応答について解析を行う。
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