研究課題/領域番号 |
23K27342
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補助金の研究課題番号 |
23H02651 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堤 康央 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (50263306)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 生殖発生毒性 |
研究開始時の研究の概要 |
従来素材と比較して、優れた有用機能を有する人工ナノ粒子が開発され、医療領域を含む多方面で実用化されている。一方で、生活環境中の人工ナノ粒子のハザードや動態の解析といった安全性評価は未だ不十分である。特に、化学物質に高感受性な脆弱世代に対する安全性評価が世界的に急務となっている。本研究では、「どのような物性を有する人工ナノ粒子が、妊娠の転帰に負の影響を及ぼすのか」を紐解く目的で、母胎と胎児をつなぐ胎盤に焦点をあて、人工ナノ粒子の血液胎盤関門透過性とその移行メカニズム、胎盤におけるハザードを追究する。
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研究実績の概要 |
従来サイズの素材と比較して、優れた有用機能を有する人工ナノ粒子が開発され、医療領域を含む多方面で実用化されている。一方で、生活環境中の人工ナノ粒子のハザードや動態の解析といった安全性評価は未だ不十分である。特に、化学物質に高感受性な脆弱世代に対する安全性評価が世界的に急務となっている。そこで本研究では、身の回り品における使用量が最も多い非晶質ナノシリカをモデルナノ粒子として用い、人工ナノ粒子の動態情報に基づく脆弱な個体に対する健康影響およびその発現メカニズムの解明を目的とした。人工ナノ粒子が胎児へ移行するうえでは、血液胎盤関門を突破・通過する必要がある。まず、非晶質シリカが胎盤の栄養膜細胞に取り込まれるかを評価したところ、粒子径の違いによらず、ヒト絨毛癌細胞株JEG-3細胞内に時間依存的に取り込まれることが示された。一方で、4℃条件下において、その取り込みが減少し、また、エンドサイトーシス阻害剤の前処置により、非晶質シリカの取り込み量が減少することが明らかとなった。従って、JEG-3細胞において、非晶質シリカは粒子径の違いによらず、エンドサイトーシス経路によって取り込まれることが示唆された。さらに、いずれの非晶質シリカにおいても、リソソームマーカーであるLAMP1との局在に相関を示すことが明らかとなり、JEG-3細胞内に取り込まれた非晶質シリカはエンドサイトーシスの分解経路に運ばれ、多くの粒子がリソソームに局在していることが示唆された。従って今後、非晶質シリカが胎盤細胞におけるリソソームの機能等に及ぼす影響を評価し、胎盤におけるナノ毒性の解析を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した内容に沿って、研究が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
胎盤は妊娠の進行と維持に必須である。そこで、各種人工ナノ粒子が胎盤細胞におけるリソソームの機能等に及ぼす影響を評価すると共に、胎盤の機能・構造形成との連関解析を進めることで、人工ナノ粒子による胎盤毒性の機序解明を図る。さらに、人工ナノ粒子の胎盤移行性と胎盤毒性を規定する分子の探索・同定を試みる。
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