研究課題/領域番号 |
23K27346
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補助金の研究課題番号 |
23H02655 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
檜井 栄一 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (70360865)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2025年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2024年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | アミノ酸 / 間葉系幹細胞 / 骨系統疾患 / トランスポーター / アミノ酸トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
進行性骨化性線維異形成症(FOP)/異所性骨化(HO)は、初期臨床症状からの早期診断は難しく、発症後は対症療法が中心となっていることから、根本治療法および早期予測診断法の開発が希求されており、アンメットニーズの高い難治性骨系統疾患である。本研究では、「アミノ酸シグナルによる間葉系幹細胞(MSC)の幹細胞性調節メカニズムの解明」を通じて、MSCのアミノ酸トランスポーターを標的としたFOP/HOに対する根本治療法開発および早期予測診断技術開発の研究基盤の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
進行性骨化性線維異形成症(FOP)は、骨格筋、腱、筋膜など本来骨組織が存在しない軟組織が進行性に骨化し、全身骨化・四肢麻痺に至る難治性骨系統疾患である。軟組織の傷害はさらなる異所性骨化(HO)を誘導することから、薬物治療による非侵襲的な早期介入が必須であるが、現状では対症療法が中心である。したがって、FOP/HOに対する根本治療法の開発のみならず、早期予測診断技術の開発は喫緊の課題である。私たちはこれまでに、間葉系幹細胞(MSC)のアミノ酸トランスポーターがFOP/HOの発症進展制御に重要な役割を果たしていることを見い出してきた。初年度は、遺伝子改変マウスを用いて、アミノ酸トランスポーター阻害によるFOP/HOの発症・進展抑制の機構を検討した。MSC特異的アミノ酸トランスポーター欠損マウスを用いてHOモデルを作製し、軟組織に集積するMSCの細胞特性変化を組織学的手法により評価した。その結果、MSC特異的アミノ酸トランスポーター欠損マウスでは、HOが著明に抑制されており、MSCマーカー陽性細胞数が著明に減少していることが明らかになった。以上の結果により、アミノ酸トランスポーター欠損により、HO形成部位へのMSCの集積が減少し、HO形成が著明に減弱する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、アミノ酸トランスポーターが異所性骨形成部位への間葉系幹細胞の集積に重要な役割を果たしていることを示し、異所性骨形成におけるアミノ酸トランスポーターの重要性および機能的役割を明らかにした。したがって、初年度の当初計画をおおむね達成したことから、「おおむね順調に進展している」と考えらえれる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、異所性骨モデルマウスのscRNA-seqデータを用いて、間葉系幹細胞のアミノ酸トランスポーター発現と様々な因子・シグナルとの相関性を解析し、アミノ酸トランスポーター下流の責任因子・シグナルを同定する。さらに、アミノ酸トランスポーター阻害剤を用いた薬理学的実験により、アミノ酸トランスポーターが進行性骨化性線維異形成症/異所性骨化の発症・進展に対する薬物治療標的となり得るかを検討する。
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