研究課題/領域番号 |
23K27373
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補助金の研究課題番号 |
23H02682 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2024) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 (2023) |
研究代表者 |
岡 正啓 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員(常勤) (40432504)
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研究分担者 |
足立 淳 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, 副センター長 (20437255)
中戸 隆一郎 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (60583044)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 融合遺伝子 / 白血病 / 相分離 / ゲノム高次構造 / ヌクレオポリン融合遺伝子 / 急性白血病 / HOX遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
核膜孔構成因子(ヌクレオポリン)と転写因子の融合産物は、下流の遺伝子を活性化して急性骨髄性白血病を引き起こすが、そのメカニズムは分かっていない。本研究ではヌクレオポリン融合産物が特異的ゲノム領域上に形成する相分離構造体をヌクレオポリンと転写因子の2つの機能の融合体として捉え、そのユニークな役割(機能分子の濃縮、高次ゲノム構造の再編成)から病態の分子メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
核膜孔構成因子(ヌクレオポリン)と様々なパートナー分子で構成されるヌクレオポリン融合遺伝子産物は、急性骨髄性白血病(AML)やT細胞急性リンパ性白血病(T-ALL)などの急性白血病の原因となることが知られている。また近年、ヌクレオポリンが有するフェニルアラニンとグリシンのリピート配列(FGリピート)を介した分子間相互作用による液液相分離(Liquid-liquid phase separation (LLPS))(以下、相分離)が、白血病の発症に重要であることが示唆されている。しかしながら相分離がどのように機能して病態に寄与しているのか、その詳細は不明な点が多く残っている。本研究は、ヌクレオポリン融合遺伝子産物が形成する核内構造体が有する相分離依存的な機能を明らかにして、白血病が発症する分子メカニズムを理解することを目的とする。本年度はNUP98::HOXA9の標的遺伝子のひとつであるHox遺伝子クラスター領域がNUP98::HOXA9核内構造体と高頻度で共局在することをImmuno-FISH法で確認した。さらにNUP98::HOXA9の結合により発現が誘導される複数の遺伝子領域(Hox遺伝子クラスター領域を含む)と、高次ゲノム構造の変化の関連を見出すことが出来た。またFGリピートのうち、特にNUP98特異的な配列として知られるGLFG配列が、遺伝子活性化能を有する相分離構造体の形成に重要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヌクレオポリン融合遺伝子産物が結合し発現を誘導するHox遺伝子クラスターなどのゲノム領域では、相分離に依存してトポロジカルドメイン(TAD)が大きく変化していることが明らかとなった。さらに、これらの遺伝子領域では、ヌクレオポリン融合遺伝子産物が転写開始点のみならず、転写領域内にも結合していることが多いことが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
相分離構造体がどのように遺伝子活性化に寄与するかの詳細を調べるために、相分離誘導型の細胞株を樹立して解析を進める予定である。またパートナー分子を変化させた変異型融合遺伝子産物を発現する細胞株の樹立と解析を進め、相互作用する因子や高次ゲノム構造の視点から、相分離構造体の機能を明らかにする。
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