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免疫レセプターと細菌リガンドの相互作用による化膿レンサ球菌感染症の分子病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K27405
補助金の研究課題番号 23H02714 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分49050:細菌学関連
研究機関金沢大学

研究代表者

平安 恒幸  金沢大学, 先進予防医学研究センター, 准教授 (30585170)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
キーワード化膿レンサ球菌 / 宿主細菌相互作用 / ヒト免疫レセプター
研究開始時の研究の概要

化膿レンサ球菌は、咽頭炎や膿痂疹などを引き起こすありふれた病原細菌である。しかし、ごく稀に重篤な劇症型溶血性連鎖球菌感染症を突然発症することがあり近年増加傾向であるが、根本的な原因は明らかとなっていない。本研究では、研究代表者が発見した化膿レンサ球菌を認識する免疫レセプターに着目し、宿主と菌との相互作用から化膿レンサ球菌感染症の分子病態を解明することを目的とする。

研究実績の概要

化膿レンサ球菌はヒトに宿主特異性の高い病原細菌であり、化膿性炎症にとどまらず、重篤な劇症型溶血性レンサ球菌感染症まで幅広い病態を引き起こす。このように化膿レンサ球菌感染症の病態は多彩であるが、その分子機序は未だ不明である。研究代表者は最近、特定のヒト免疫レセプターが化膿レンサ球菌を認識することを発見した。このヒト免疫レセプターと細菌リガンドは双方に遺伝子多型が存在することから、宿主と細菌の遺伝子多型の組合せが多彩な化膿レンサ球菌感染症の病態に影響を及ぼしているのではないかと考えた。そこで本研究では、ヒト免疫レセプターと細菌リガンドの相互作用から、多彩な病態を示す化膿レンサ球菌感染症の分子機序を解明することを目的とする。
本年度は、前述した目的を達成するために、まず細菌側の機能解析を行った。細菌リガンドを持つ菌株と持たない欠損菌株を比較したところ、リガンド遺伝子には繰り返し配列が存在し、リガンドを持たない欠損株ではそのリピート数の違いによりフレームシフトが起きることでリガンドを欠損することが明らかとなった。さらに、リガンド欠損株の特性を明らかにするために、バイオフィルムアッセイを行ったところ、野生株と比べて欠損株ではバイオフィルムを形成する傾向が見られた。これらの結果から、細菌リガンドの有無はバイオフィルム形成に関与する可能性が示唆される。宿主側の解析では、ヒト免疫レセプターの相同性が高いため、免疫レセプター群の発現を正確に把握するために、モノクローナル抗体を作製した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

細菌リガンドには繰り返し配列が存在しているため、正確にシークエンスするのに工夫が必要となり、条件検討に時間がかかったため。また、細菌リガンド欠損株の特性に大きな実験誤差が生じることが判明したため、その検討にも時間がかかった。In vitroにおけるリガンド欠損株の特性解析はおおむね順調に進んだが、In vivoにおける実験は、動物実験の立ち上げに時間がかかったこともあり、全体的にやや遅れている。

今後の研究の推進方策

解析対象のヒト免疫レセプター群は好中球やマクロファージなど貪食細胞に発現していると報告されている。しかし、ヒト免疫レセプター群はお互いに相同性が高いため、正確な発現分布についてはわかっていない。そのため、特異的な抗体を用いて発現分布を調べる必要がある。また、好中球やマクロファージ系の細胞株にアリル特異的にヒト免疫レセプターを発現させて、免疫応答を調べる。さらに、ヒト免疫レセプターのトランスジェニックマウスを用いた病態の解析を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] LILRA2は血漿成分を介して細菌を認識する2023

    • 著者名/発表者名
      李 一凡、平安 恒幸、華山 力成
    • 学会等名
      第60回日本細菌学会中部支部総会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Recognition of the endogenous ligand by activating receptor LILRA22023

    • 著者名/発表者名
      Yifan Li、Kouyuki Hirayasu、Rikinari Hanayama
    • 学会等名
      第12回ITAMワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Identification of the hybrid gene LILRB5-3 by long-read sequencing and implication for a novel inhibitory function2023

    • 著者名/発表者名
      Kouyuki Hirayasu
    • 学会等名
      第12回ITAMワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Identification and characterization of the novel fusion gene LILRB3-LILRB5 by long-read sequencing technology2023

    • 著者名/発表者名
      Kouyuki Hirayasu, Seik-Soon Khor, Yosuke Kawai, Gen Hasegawa, Atsushi Tajima, Hiroyuki Nakamura, Katsushi Tokunaga, Rikinari Hanayama, Masao Nagasaki
    • 学会等名
      5th German-Japanese Symposium
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Identification and characterization of the novel fusion gene LILRB3-LILRB5 by long-read sequencing technology2023

    • 著者名/発表者名
      Kouyuki Hirayasu, Seik-Soon Khor, Yosuke Kawai, Gen Hasegawa, Katsushi Tokunaga, Rikinari Hanayama, Masao Nagasaki
    • 学会等名
      第52回日本免疫学会総会・学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [図書] LILRファミリーの歴史と展望(炎症と免疫 : 分担執筆)2023

    • 著者名/発表者名
      李 一凡、平安恒幸
    • 総ページ数
      108
    • 出版者
      先端医学社
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      https://immmicrob.w3.kanazawa-u.ac.jp/

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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