研究課題/領域番号 |
23K27454
|
補助金の研究課題番号 |
23H02763 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
上村 顕也 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00579146)
|
研究分担者 |
寺井 崇二 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00332809)
坂牧 僚 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (40792289)
仁科 博史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60212122)
横尾 健 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (80750629)
大塚 正人 東海大学, 医学部, 教授 (90372945)
三浦 浩美 東海大学, 医学部, 助教 (90599523)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2026年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
|
キーワード | 遺伝子治療 / ゲノム編集 / in vivo / 難治癌 / ハイドロダイナミック遺伝子導入法 |
研究開始時の研究の概要 |
難治癌の細胞内の遺伝子そのものを対象とする治療法は確立されていない。本研究では、難治癌の病態の中心にある標的遺伝子の不活性化が治療効果に結び付くかについて、in vivoゲノム編集技術を応用した遺伝子治療によって検証する。申請者が、疾患遺伝子治療に有効であることを報告したHGD法で難治癌関連遺伝子を標的としたゲノム編集試薬を担癌臓器に導入し、癌細胞選択的に発現させて遺伝子治療を行う。その治療効果と安全性については、申請者が開発した膵癌や肝癌の難治癌モデル動物で検証する。本研究で確立する臓器・細胞選択的なin vivoゲノム編集による遺伝子治療法は、難治癌の予後改善に寄与することが期待される。
|
研究実績の概要 |
難治癌の細胞内の遺伝子そのものを対象とする治療法は確立されていない。本研究では、難治癌の病態の中心にある標的遺伝子の不活性化が治療効果に結び付くかについて、in vivoゲノム編集技術を応用した遺伝子治療によって検証する。申請者が、疾患遺伝子治療に有効であることを報告したHGD法で難治癌関連遺伝子を標的としたゲノム編集試薬を担癌臓器に導入し、癌細胞選択的に発現させて遺伝子治療を行う。 その治療効果と安全性を評価するためには、in vivoで、対象臓器選択的にゲノム編集を行い、その効果を簡便に評価できる動物モデルの確立が重要である。 そこで、今年度は、臓器選択的に送達したゲノム編集ツールによりin vivoゲノム編集の効果をeGFP発現によって、経時的に各臓器を採取してGFP蛍光で確認することのできるラットを作製した。(unpublished data) また申請者らが開発したヒト膵癌モデルラットを対象として、ヒト膵癌の臨床像を模倣した腫瘍組織の網羅的遺伝子発現解析、癌関連シグナル伝達経路のパスウェイ解析により、癌遺伝子治療に応用可能な標的遺伝子を絞り込むことに成功した。 この成果により臓器選択的なHGD法によるin vivoゲノム編集の有効性と安全性を検証することが可能となる。また、これまでに同定した癌遺伝子治療のための標的遺伝子の分子生物学的機能を解析することで、臓器・細胞選択的in vivoゲノム編集による癌に対する新規遺伝子治療法の確立に結びつけることができる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vivoで、対象臓器選択的にゲノム編集を行い、その効果を簡便に評価できる動物モデルが確立した。臓器選択的in vivoゲノム編集の有効性、安全性の検討に有用である。また、申請者らが開発したヒト膵癌モデルラットを対象として、ヒト膵癌の臨床像を模倣した腫瘍組織の網羅的遺伝子発現解析、癌関連シグナル伝達経路のパスウェイ解析により、癌遺伝子治療に応用可能な標的遺伝子を絞り込むことに成功した。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、上記ラットモデルを対象として、臓器選択的in vivoゲノム編集の有効性、安全性を検討するとともに、同定したゲノム編集による癌遺伝子治療の標的遺伝子の機能を検証し、臓器・細胞選択的in vivoゲノム編集による癌遺伝子治療法の確立に結びつける。この検証では、腫瘍細胞選択性を担保するため、ラット膵癌モデルで上昇している血清腫瘍マーカー分子「CA19-9」のプロモーター制御下にCas9及び上記遺伝子を標的としたガイドRNAを発現するプラスミドを使用し、これを膵臓選択的HGDにて導入する。 KRASG12D導入と同時に同遺伝子を標的としたゲノム編集ツールを共導入するラットを対照群とし、上記で見出した標的候補遺伝子を不活性化した群を比較し、抗腫瘍効果を検証する。抗腫瘍効果は、小動物用CTを用いた膵癌発症率、生存率、腫瘍径、転移病変の評価、血清CA19-9濃度の確認、腫瘍の壊死などの組織学的変化及び腫瘍組織内の治療遺伝子発現量により行う。
|