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TIME誘導能に応じた膵癌サブタイプ分類と個別TIME改変を目指した新規治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 23K27461
補助金の研究課題番号 23H02770 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
研究機関九州大学

研究代表者

大内田 研宙  九州大学, 医学研究院, 准教授 (20452708)

研究分担者 佐田 政史  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10783508)
森山 大樹  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70586859)
田村 公二  九州大学, 大学病院, 助教 (90909582)
阿部 俊也  九州大学, 大学病院, 助教 (20722028)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
キーワード膵癌 / 癌免疫微小環境 / 膵癌サブタイプ分類 / 免疫治療 / 治療の個別化 / 腫瘍免疫微小環境 / サブタイプ分類 / 集学的個別化治療 / シングルセル遺伝子発現解析 / 個別化治療
研究開始時の研究の概要

近年飛躍を遂げたがん免疫療法においても、高度なheterogeneityを有する膵癌での有効性は限られており、その微小環境を含めた免疫回避機序についての解明は十分でない。本研究ではヒト膵癌組織のシングルセル遺伝子発現解析・T細胞受容体レパトア解析・空間的遺伝子発現解析から癌免疫微小環境(TIME)の機能的特性を解明し、TIMEの差違から新規膵癌サブタイプ分類を作成する。次に膵癌自然発癌モデル (KPC)マウス由来癌オルガノイドを用いて、各サブタイプに基づいた膵癌TIME再現モデルを構築し、免疫治療を含む癌治療への反応性を比較し、サブタイプ毎に治療抵抗性に関わる責任因子を同定する。

研究実績の概要

膵癌は、他癌種に比較して難治癌であり治療開発の成果は後進的である。その原因として腫瘍微小環境内に高度なheterogeneity があり、多様な免疫細胞と癌細胞が絡み合った腫瘍免疫微小環境(TIME)の複雑さを有する点が挙げられる。本研究では患者個々の癌細胞と間質細胞の機能的・抗原特異的特性および空間的分布を解析し、TIMEの分類と改変を目的としている。今年度はまず、ヒト膵癌の免疫染色を行い、CD8陽性T細胞、B細胞、Treg、CAFなどの分布を把握した。この際、CD8陽性T細胞の浸潤部位が辺縁の間質のみのものや、浸潤自体は少ないが、3次リンパ構造(TLS)を形成している症例なども認めた。
次にすでに保有していたPublicの膵癌シングルセルRNA解析(scRNA-seq)を行い、CD8陽性T細胞数が多い症例(hot tumor)では、CD8T細胞の活性化、疲弊化マーカーが高く、逆にCD8陽性T細胞数が少ない症例ではナイーブT細胞のマーカーの発現が高い傾向にあることがわかった。TLSの解析においては、他癌種のscRNA-seqでTLSを有する症例のCD8陽性T細胞では細胞障害性マーカーの上昇と、樹状細胞での抗原提示能が上がっていることが明らかになった。また、他癌種におけるシングルセルT細胞受容体レパトア解析(scTCR-seq)では、T細胞浸潤の程度が中程度の症例が、低浸潤、高浸潤の症例よりもCD8陽性T細胞のT細胞受容体(TCR)レパトアが増加しており、浸潤の程度とレパトアが必ずしも一致しないことが明らかになった。
これらのことから、CD8陽性T細胞浸潤では中程度や浸潤場所の分布も考慮すべきこと、TLSも分類に組み込む必要性があると判断した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒト膵癌切除検体のscRNA-seq/scTCR-seq/Visiumによる膵癌TIMEサブタイプ分類の作成を目的とし、様々な解析手法を用いて、免疫微小環境の詳細について検討できている。

今後の研究の推進方策

今後は、まずTLSの評価に必須となる空間的解析技術(visium等)も併用したさらなる解析を進め、膵癌の腫瘍免疫微小環境のサブタイプ分類を進める。次に、膵癌TIMEサブタイプを再現した3Dオルガノイドモデル・マウスモデルの作製を行う。すでに複数の自然発がんマウス由来膵癌細胞をマウスに同所移植することで、細胞株ごとに異なるTIMEを誘導することを確認しており、この細胞株をヒトの免疫微小環境サブタイプに分類することが可能であると考える。その後次年度以降は、再現モデルに対して、治療反応性の評価を行い、集学的治療戦略の構築を目指す予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Tertiary lymphoid structures correlate with enhancement of antitumor immunity in esophageal squamous cell carcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Shoichi、Ohuchida Kenoki、Hayashi Masataka、Katayama Naoki、Tsutsumi Chikanori、Yamada Yutaka、Hisano Kyoko、Okuda Sho、Ohtsubo Yoshiki、Iwamoto Chika、Torata Nobuhiro、Mizuuchi Yusuke、Shindo Koji、Nakata Kohei、Moriyama Taiki、Morisaki Takashi、Oda Yoshinao、Nakamura Masafumi
    • 雑誌名

      British Journal of Cancer

      巻: 129 号: 8 ページ: 1314-1326

    • DOI

      10.1038/s41416-023-02396-7

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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