研究課題/領域番号 |
23K27464
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補助金の研究課題番号 |
23H02773 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
宇都 倫史 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10624653)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2025年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 腫瘍治療 / 免疫チェックポイント / 樹状細胞 / 腫瘍治療学 / 免疫抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫応答を負に制御しているT細胞発現免疫チェックポイント分子群が発見され臨床応用されている。しかし、一定の臨床効果が得られているものの、いまだ満足すべき結果ではない。研究代表者らはマウスにおいてClec4A4分子が通常型樹状細胞(cDCs)の活性化制御分子として免疫応答を負に調節する機序を解明した。本研究では、新規免疫チェックポイント分子として推察されたマウスClec4A4のオルソログであるヒトCLEC4Aに着眼し、機能阻害抗体によるヒトCLEC4Aを標的としたがん免疫治療法の有用性を解き明かし、新規DC発現免疫チェックポイント阻害剤のがん進展に対する抑制効果と作用機序を初めて証明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、新規免疫チェックポイント分子として推察されたヒトCLEC4Aに着眼し、機能阻害抗体によるがん免疫治療法の有用性を解き明かすことで、新規DC発現免疫チェックポイント阻害剤のがん進展に対する抑制効果と作用機序を解明する。令和5年度は、以下の3項目について検討した。 (1)ヒト免疫細胞における抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体の標的細胞の解析。ヒト末梢血における免疫細胞および樹状細胞(DC)亜集団のヒトCLEC4Aの発現についてフローサイトメトリー解析で確認した。その結果、ヒト末梢血単核球におけるCLEC4Aの発現は、NK1.1+細胞やCD3+細胞と比較し、CD11b+細胞、CD19+細胞、CD11c+細胞に発現が認められ、MHC class II+細胞に発現していた。また、DCの亜集団すべてにCLEC4Aの発現が認められ、特にCD1c+cDC2において優位な高発現が認められた。 (2)抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体の相補決定領域(CDR)の解析。ハイブリドーマのRNAよりcDNAを合成し、抗体の重鎖と軽鎖の可変領域をクローニング後、遺伝子配列を解析した。その結果、CLEC4A機能阻害抗体のCRDを決定した。 (3)担がんヒトCLEC4A Tgマウスモデルにおける抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体の免疫チェックポイント阻害機能の解析。ヒトCLEC4A Tgマウスモデルの免疫細胞におけるヒトCLEC4Aの発現についてフローサイトメトリー解析で確認した。その結果、CD11b+細胞、CD19+細胞、CD11c+細胞においてヒトCLEC4Aの発現が認められた。さらに、卵白アルブミン(OVA)発現組換えマウス悪性黒色腫細胞株(B16-OVA)を用い、抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体のがん治療効果を解明した。その結果、抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体投与群ではがん増大の進展が抑制された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題申請書の計画に従って研究の進歩が認められた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、以下に記載する担がんヒトCLEC4A Tgマウスモデルにおける抗ヒトCLEC4A機能阻害抗体の免疫チェックポイント阻害機能の解析を進める予定である。 (1)がん特異的CTL応答増強効果、(2)がん組織浸潤免疫細胞制御効果、(3)cDC機能制御効果、(4)T細胞機能制御効果、(5)がん微小環境制御効果
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