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経験的思考力を生み出す神経基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K27476
補助金の研究課題番号 23H02785 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分51020:認知脳科学関連
研究機関富山大学

研究代表者

野本 真順  富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (20636253)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
キーワードスキーマ / カルシウムイメージング / 大脳皮質 / 海馬 / 脳高次機能 / ヒューリスティック / 経験的思考力 / オプトジェネティクス / Eureka! moment / 閃き / 記憶想起
研究開始時の研究の概要

動物は、過去と現在の状況が同一でなくとも類似性を検出し、知識体系から抽出したルールや概念を用いて思考・適応する。この「経験的思考力」はヒューリスティクスとも呼ばれ、人工知能を駆動させる定式化されたアルゴリズムとは対象的な概念であり、動物が生存戦略として潜在的に利用していると考えられている。しかし、過去と現在の情報を統合して最適行動を生み出す経験的思考力がいつどのように生み出されるのかそのメカニズムを示した研究はない。経験的思考力を生み出す神経基盤をニューロン活動レベルと神経回路レベルで明らかにすることを目的とする。

研究実績の概要

動物は、過去と現在の状況が同一でなくとも類似性を検出し、知識体系から抽出したルールや概念を用いて思考・適応する。この「経験的思考力」はニューロンリスティックとも呼ばれ、人工知能を駆動させる定式化されたアルゴリズムとは対象的な概念であり、動物が生存戦略として潜在的に利用していると考えられている。しかし、過去と現在の情報を統合して最適行動を生み出す経験的思考力がいつどのように生み出されるのかをメカニズムを示した研究はない。
本研究では、経験的思考力を生み出す神経基盤をニューロン活動レベルと神経回路レベルで因果関係をもって明らかにする。具体的には、①新旧情報の統合に必要な神経活動表現、神経回路、および神経細胞群を同定する。さらに、②人工感覚情報を非空間スキーマ細胞に人工的に連合させ、非空間スキーマ細胞の存在と機能を実証することを目的としている。
これまでに自由行動下のマウスでデータ取得を行っていたものの、数理解析の精度を高めるため、マウスを用いて、頭固定条件下で単一の匂い刺激を使ったスキーマ課題を新たに確立し、データ取得・解析を行った。 さらに、本スキーマ課題を用いて、マウス脳の特定領域に光活性型オプシンを発現・刺激することで学習可能な系を確立した。これは、感覚刺激の代用となる学習可能な人工感覚情報の系を確立したことを意味している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

カルシウムイメージングとオプトジェネティクスを統合し、マウスを用いて、頭固定条件下で単一の匂い刺激を使ったスキーマ課題を新たに確立し、数理解析時にノイズの少ないスキーマ課題時のデータを取得したこと、また、本スキーマ課題に実装可能なオプトジェネティクス刺激による人工感覚情報入力系を確立したため。

今後の研究の推進方策

申請書が確立した人工感覚刺激入力系を用いて、スキーマ課題遂行時にスキーマ課題時のニューロン活動を記録し、2つ目の学習課題において成績が向上するタイミングで出現する細胞集団(スキーマ細胞)の神経活動表現の特徴を抽出し、行動成績と神経活動の相関性を調べ、経験的思考力との関連性を明確にする。
神経活動表現のニューロン活動を薬剤の局所投与で操作し、1日の課題中にスキーマ細胞を進化させる場合のニューロン活動の変化を計測し、情報統合のタイミングを調べる。さらに、受容体の発現制御や感度変化が、どのように情報統合を行うタイミングを制御するかを検討するため、オプトジェネティクスで神経回路の時間分解能を高め、神経活動の情報統合過程を特定し、スキーマ細胞が要される神経回路を明らかにする。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Engram mechanisms of memory linking and identity2024

    • 著者名/発表者名
      Choucry Ali、Nomoto Masanori、Inokuchi Kaoru
    • 雑誌名

      Nature Reviews Neuroscience

      巻: - 号: 6 ページ: 375-392

    • DOI

      10.1038/s41583-024-00814-0

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] Correction: Requirement for hippocampal CA3 NMDA receptors in artificial association of memory events stored in CA3 cell ensembles2023

    • 著者名/発表者名
      Nomoto Masanori、Ohkawa Noriaki、Inokuchi Kaoru、Oishi Naoya
    • 雑誌名

      Molecular Brain

      巻: 16 号: 1

    • DOI

      10.1186/s13041-023-01016-y

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 睡眠状態に特異的な前頭前野の神経活動動態2023

    • 著者名/発表者名
      大野 駿太郎、野本 真順、井ノ口 馨
    • 雑誌名

      Toyama Medical Journal

      巻: 33 号: 1 ページ: 43-49

    • DOI

      10.57561/tmjutmed.33.1_43

    • ISSN
      2189-2466, 2758-6014
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Sort and reverberatory integration of the sensory inputs in the hippocampus2023

    • 著者名/発表者名
      野本真順、村山絵美、大野駿太郎、鈴木(大久保) 玲子、井ノ口馨
    • 学会等名
      第46回 日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 海馬における感覚入力の反響的統合2023

    • 著者名/発表者名
      野本真順
    • 学会等名
      ムーンショット目標9(MS9) 研究交流会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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