研究課題/領域番号 |
23K27489
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補助金の研究課題番号 |
23H02798 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
坂口 末廣 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (60274635)
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研究分担者 |
千田 淳司 徳島大学, 先端酵素学研究所, 講師 (20437651)
原 英之 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 特任准教授 (40469953)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2024年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | プリオン病 / プリオン / インフルエンザウイルス / 神経細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
プリオン病では、異常プリオン蛋白質(以下、異常プリオン)が脳内に産生され、その結果神経細胞死が起こる。ヒトプリオン病の約90%が、プリオンの感染以外の原因で発症する。従って、予防にはプリオン以外の原因の究明が必要である。本研究では、インフルエンザウイルスの感染がプリオン病の原因である可能性を究明するとともに、インフルエンザウイルスが異常プリオンを産生するメカニズムを解明する。また、プリオン病の神経細胞死をターゲットにした治療法の開発を目指し、プリオン病におけるポストゴルジ小胞輸送障害のメカニズムを解明するとともに、ポストゴルジ小胞輸送障害の改善によるプリオン病の治療の可能性についても検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、プリオン病の予防・治療法開発を目指し、プリオン以外のプリオン病の病原体の究明と病態解明を行う。今年度は、神経指向性A型インフルエンザウイルスがプリオン病の原因である可能性を究明するために、ヒト神経芽細胞にインフルエンザウイルスを感染させ産生された異常プリオン様プリオン蛋白質の感染性の検証を行なっている。ヒトプリオンは、マウスとヒトのキメラプリオン蛋白質に高い感受性を示すことが報告されているので、マウスとヒトのキメラプリオン蛋白質のTgマウスを作製し、異常プリオン様プリオン蛋白質を産生するヒト神経芽細胞のライセートを脳内に接種した。また、インフルエンザウイルスがプリオン病を発症させるのか検証するために、インフルエンザウイルスをマウスの鼻腔内に感染させ経過を観察している。また、異常プリオンを産生させるインフルエンザウイルス以外のウイルスを同定するために、ヒト神経芽細胞に新型コロナウイルスを感染させ異常プリオンが産生されるのか解析している。また、インフルエンザウイルスによる異常プリオンの産生メカニズムを明らかにするために、ネクロトーシス関連分子MLKLとRIPK1のノックアウト細胞を作製しインフルエンザウイルスを感染させ異常プリオンが産生されるのか解析している。さらに、プリオン病の病態解明のために、異常プリオンによるポストゴルジ輸送障害のメカニズムを明らかにする。このために、様々なRab分子をプリオン感染細胞に導入しポストゴルジ輸送障害が改善されるのか解析したが、明らかにポストゴルジ輸送障害を改善するRab分子を同定するには至らなかった。また、遺伝性プリオン病でもポストゴルジ輸送障害が起こっているのか明らかにするために、既に作製している遺伝性プリオン病のモデルTgマウスを用いて解析したが、明確な結論に至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神経指向性A型インフルエンザウイルスがプリオン病の原因である可能性を究明するために、マウスとヒトのキメラプリオン蛋白質を発現するTgマウスを樹立することに成功し、インフルエンザウイルスの感染により異常プリオン様プリオン蛋白質を産生しているヒト神経芽細胞のライセートを脳内に接種した。現在、経過観察中である。また、インフルエンザウイルスがプリオン病を発症させるのか明らかにするために、インフルエンザウイルスをマウスの鼻腔内に感染させ、経過を観察している。また、異常プリオンを産生させるインフルエンザウイルス以外のウイルスを同定するために、ヒト神経芽細胞に新型コロナウイルスを感染させ、異常プリオンが産生されるのか解析している。従って、この研究テーマは計画通りに進んでいる。 また、インフルエンザウイルスによる異常プリオンの産生メカニズムを解明するために、ネクロトーシス関連分子MLKLとRIPK1のノックアウト細胞の作製に成功し、MLKLノックアウト細胞にインフルエンザウイルスを感染させ異常プリオンが産生されるのか解析中である。従って、この研究テーマは概ね順調である。 さらに、プリオン病の病態解明のために、異常プリオンによるポストゴルジ輸送障害を改善させるRab分子の同定を行なっている。様々なRab分子をプリオン感染細胞に導入しポストゴルジ輸送障害が改善されるのか解析したが、明らかにポストゴルジ輸送障害を改善するRab分子の同定には至らなかった。また、遺伝性プリオン病のモデルTgマウスを用いて、遺伝性プリオン病でもポストゴルジ輸送障害が起こっているのか解析したが、明確な結論に至っていない。従って、この研究テーマはやや遅れている。 以上により、本研究は概ね順調に進行していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
神経指向性A型インフルエンザウイルスがプリオン病の原因である可能性を究明するために、現在、マウスとヒトのキメラプリオン蛋白質を発現するTgマウスにインフルエンザウイルス感染により異常プリオン様プリオン蛋白質を産生するヒト神経芽細胞のライセートを脳内に接種し経過を観察中であるので、このまま継続観察する。また、インフルエンザウイルスがプリオン病を発症させるのか明らかにするために、インフルエンザウイルスをマウスの鼻腔内に感染させているので、このまま継続観察する。マウスが発症すれば、生化学的、病理学的解析を行う。また、異常プリオンを産生させるインフルエンザウイルス以外のウイルスを同定するために、ヒト神経芽細胞に新型コロナウイルスを感染させ、異常プリオンが産生されるのか解析しているので、継続して行う。 また、インフルエンザウイルスによる異常プリオンの産生メカニズムを明らかにするために、MLKLとRIPK1のノックアウト細胞にインフルエンザウイルスを感染させ異常プリオンが産生されるのか解析中である。解析を継続する。 さらに、プリオン病の病態解明のために、異常プリオンによるポストゴルジ輸送障害を改善させるRab分子の同定を行なっている。しかし、異常プリオンによるポストゴルジ輸送障害を改善させるRab分子の同定に至っておらず、また遺伝性プリオン病でもポストゴルジ輸送障害が起こっているのか明確な結論に至っていない。今後、実験計画に従い、Rab分子以外の分子の同定を試みる。また、遺伝性プリオン病でもポストゴルジ輸送障害が起こっているのか継続して解析する。
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