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ナトリウムチャネル異常によるてんかん・神経発達症発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K27490
補助金の研究課題番号 23H02799 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分51030:病態神経科学関連
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

山川 和弘  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30241235)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
キーワード電位依存性ナトリウムチャネル / てんかん / 神経発達症 / SCN1A / SCN2A
研究開始時の研究の概要

本研究では、1)SCN1Aについては、最近我々が得た知見(Nav1.1の大脳 皮質5層錐体路投射細胞における発現:論文未発表)に基づく「てんかん性 脳症ドラべ症候群における突然死発症神経回路の解明」、2)SCN2Aについては、Nav1.2の全身もしくは脳部位特異的欠損マウスの行動解析や遺 伝・生理・薬理学的解析などによる「SCN2A変異による神経発達症行動異常発症神経回路の解明」を進める。

研究実績の概要

(1)てんかん性脳症ドラべ症候群における突然死発症神経回路の解明
電位依存性ナトリウムチャネルαサブユニットNav1.1をコードするSCN1A遺伝子の機能喪失変異によって引き起こされる ドラべ症候群の突然死発症神経回路を明らかにするため、SCN1Aプロモーターで駆動される蛍光マーカータンパクGFPを発現するトランスジェニックマウスを作成し解析し、Nav1.1が大脳皮質においてはパルブアルブミン陽性高頻度発火抑制性神経細胞であるバスケット細胞と興奮性細胞である錐体路投射細胞などに発現することを明らかにした(Yamagata et al., eLife 12:e87495, 2023)。

(2)SCN2A変異による神経発達症行動異常発症神経回路の解明
Scn1a-GFP マウスを利用した神経発達症で最も多く変異が見られる遺伝子であるSCN2AがコードするNav1.2の詳細な解析は、Nav1.2 が皮質視床投射細胞や皮質線条体投射細胞に発現することをも示した(Yamagata et al., eLife 2023)。加えて、我々は、 統合失調症の生物学的マーカーとして知られる聴覚性驚愕反応プレパルス抑制の低下が内側前頭前皮質特異的Scn2a遺伝子欠損モデルマウスで 見出され、一方、腹側被蓋野における欠損モデルマウスでは逆の効果が認められることを見出し、先行研究の知見と併せて自閉症と統合失調症 の統合的理解に通ずるPPI神経回路の提唱に至った(Suzuki et al., Mol Neurobiol 61(2):622-634, 2024)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

(1)てんかん性脳症ドラべ症候群における突然死発症神経回路の解明
SCN1Aプロモーターで駆動される蛍光マーカータンパクGFPを発現するトランスジェニックマウスを作成し解析し、Nav1.1が大脳皮質においてはパルブアルブミン陽性高頻度発火抑制性神経細胞であるバスケット細胞と興奮性細胞である錐体路投射細胞などに発現することを明らかにし、論文報告した(Yamagata et al., eLife 12:e87495, 2023)。

(2)SCN2A変異による神経発達症行動異常発症神経回路の解明
Nav1.2 が皮質視床投射細胞や皮質線条体投射細胞に発現することをも示した(Yamagata et al., eLife 2023)。加えて、我々は、 統合失調症の生物学的マーカーとして知られる聴覚性驚愕反応プレパルス抑制の低下が内側前頭前皮質特異的Scn2a遺伝子欠損モデルマウスで 見出され、一方、腹側被蓋野における欠損モデルマウスでは逆の効果が認められることを見出し、先行研究の知見と併せて自閉症と統合失調症 の統合的理解に通ずるPPI神経回路の提唱に至り、論文報告した(Suzuki et al., Mol Neurobiol 61(2):622-634, 2024)。

今後の研究の推進方策

(1)てんかん性脳症ドラべ症候群における突然死発症神経回路の解明
SCN1AーGFPトランスジェニックマウスを作成し解析し、Nav1.1が大脳皮質においてはパルブアルブミン陽性高頻度発火抑制性神経細胞であるバスケット細胞と興奮性細胞である錐体路投射細胞などに発現することを明らかにし、論文報告した(Yamagata et al., eLife 12:e87495, 2023)。今後、さらに検証するために引き続き、逆行性色素をScn1a-GFPマウスの中脳・橋接合部、脊髄に注入することで錐体路投射細 胞を標識し、Nav1.1 の錐体路投射細胞での発現の詳細を明らかにする。
(2)SCN2A変異による神経発達症行動異常発症神経回路の解明
SCN2AがコードするNav1.2の詳細な解析は、Nav1.2 が皮質視床投射細胞や皮質線条体投射細胞に発現することをも示した(Yamagata et al., eLife 2023)。加えて、我々は、 統合失調症の生物学的マーカーとして知られる聴覚性驚愕反応プレパルス抑制の低下が内側前頭前皮質特異的Scn2a遺伝子欠損モデルマウスで 見出され、一方、腹側被蓋野における欠損モデルマウスでは逆の効果が認められることを見出し、先行研究の知見と併せて自閉症と統合失調症 の統合的理解に通ずるPPI神経回路の提唱に至った(Suzuki et al., Mol Neurobiol 61(2):622-634, 2024)。今後さらに腹側被蓋野、惻座核を中心とした解析を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Inversed Effects of Nav1.2 Deficiency at Medial Prefrontal Cortex and Ventral Tegmental Area for Prepulse Inhibition in Acoustic Startle Response2023

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Toshimitsu、Hattori Satoko、Mizukami Hiroaki、Nakajima Ryuichi、Hibi Yurina、Kato Saho、Matsuzaki Mahoro、Ikebe Ryu、Miyakawa Tsuyoshi、Yamakawa Kazuhiro
    • 雑誌名

      Molecular Neurobiology

      巻: 61 号: 2 ページ: 622-634

    • DOI

      10.1007/s12035-023-03610-6

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Scn1a-GFP transgenic mouse revealed Nav1.1 expression in neocortical pyramidal tract projection neurons2023

    • 著者名/発表者名
      Yamagata Tetsushi、Ogiwara Ikuo、Tatsukawa Tetsuya、Suzuki Toshimitsu、Otsuka Yuka、Imaeda Nao、Mazaki Emi、Inoue Ikuyo、Tokonami Natsuko、Hibi Yurina、Itohara Shigeyoshi、Yamakawa Kazuhiro
    • 雑誌名

      eLife

      巻: 12

    • DOI

      10.7554/elife.87495

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] 統合失調症の行動障害に関与する責任脳領域と発症メカニズムの解明

    • URL

      https://www.nagoya-cu.ac.jp/media/20230905press3.pdf

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] Scn1aレポーターマウスは重症てんかんにおける 突然死発症神経回路を提示する

    • URL

      https://www.nagoya-cu.ac.jp/media/202306011000press.pdf

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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