• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ノルアドレナリンシグナル再構成を介したストレスによる抗うつ薬反応性増強の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K27492
補助金の研究課題番号 23H02801 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分51030:病態神経科学関連
研究機関日本医科大学

研究代表者

小林 克典  日本医科大学, 医学部, 准教授 (10322041)

研究分担者 廣瀬 謙造  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (00292730)
瀬木 恵里  東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 教授 (70378628)
黒岩 真帆美  久留米大学, 医学部, 助教 (20585690)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
キーワード脳・神経 / ストレス / 抗うつ薬 / 海馬 / ノルアドレナリン
研究開始時の研究の概要

うつ病は有病率が高く、その克服は社会的要請となっている。既存抗うつ薬に対する抵抗性が少なからずあり、治療反応性の向上は喫緊の課題と言える。我々はうつ病のリスク因子であるストレスに、ノルアドレナリン(NA)の作用を増強して、抗うつ薬反応性を高める効果があることを発見した。このNA作用増強の基盤として、アドレナリン受容体とドパミン受容体の相互作用からなる、NA作動性シグナルの再構成が示唆された。本研究では、ストレスによって生じるNA作動性シグナル再構成の全体像と分子基盤を明らかにし、抗うつ薬反応性との関係を解析する。以上の解析によって、抗うつ薬使用の最適化と革新のための基盤形成を目指す。

研究実績の概要

初年度は主に自発運動(回し車)によって生じる、マウス海馬歯状回の顆粒細胞の変化を解析した。海馬スライス標本に電気生理学手法を適用し、歯状回への入力線維の電気刺激によって生じる興奮性シナプス後電位と集合スパイクを記録し、これらに対するノルアドレナリン投与の効果を解析した。濃度依存性を確認した後に、各種受容体遮断薬の効果を解析し、さらに自発運動による変化と性差の有無を検討した。既に公表済みの結果の通り、ノルアドレナリンの効果にはアドレナリンα、β受容体及びドパミンD1受容体依存性の要素が含まれていたが、D5受容体も寄与する可能性が示唆された。運動を行わせたマウスでは、ノルアドレナリンの効果全体としては抑制傾向にあった。さらに各種受容体依存性が変化し、D1/D5受容体の寄与が増加する可能性が示唆された。また、D1/D5様受容体の寄与に性差がある傾向が見られた。運動とストレスの組み合わせの効果も検討したが、両者の条件によって結果が異なることが示唆されたため、詳細な条件検討を開始した。
同様に運動後の各種受容体発現、細胞内リン酸化反応の変化を検討した。D1受容体とD5 受容体の発現に対する運動の効果については、両者の間で異なっており、D1受容体が特異的に変化する可能性が示唆された。アドレナリン受容体発現変化も含めて解析を継続している。リン酸化反応に関しても変化する傾向が見られ、条件検討を行っている。
超解像顕微鏡解析のための抗体のスクリーニングを行った。D1受容体抗体については検討がほぼ終了した。続けてアドレナリン受容体の抗体スクリーニングに着手し、市販抗体のみならず抗体作製の可能性を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた解析には全て着手したため、ほぼ予定通り進んでいると言える。性差が見られる傾向があったことから、通常よりも必要な実験量が増えており、その点でやや遅れがある。

今後の研究の推進方策

原則として初年度の解析を継続する。電気生理解析については、運動とストレスの組み合わせの条件検討を完了する。自発運動は運動量がコントロールできないため、必要に応じて強制運動とストレスの組み合わせの可能性についても検討する。運動、ストレス、運動+ストレスの全ての条件において、歯状回でのノルアドレナリンシグナルを担う受容体機構を明らかにする。性差が明らかになった場合は、その原因となるシグナル機構の解明も視野に含めて、解析を継続する。
電気生理解析の結果を踏まえて、受容体発現変化のPCR解析を行う。さらに、AAVを用いた受容体発現量操作の準備に入る。
細胞内リン酸化解析については、電気生理解析の結果を踏まえて、各条件でのリン酸化レベルとその各種受容体依存性を明らかにする。現在まではcAMP依存性経路の解析を行ってきたが、結果に応じて他のシグナル経路も検討する。
組織化学・超解像顕微鏡解析については、アドレナリン受容体抗体の検討完了し、ドパミンD1受容体との共局在の検討を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 薬物標的としての海馬セロトニントランスポーター2023

    • 著者名/発表者名
      小林克典
    • 学会等名
      第45回日本生物学的精神医学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi