研究課題/領域番号 |
23K27511
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補助金の研究課題番号 |
23H02820 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
矢部 一郎 北海道大学, 医学研究院, 教授 (60372273)
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研究分担者 |
原 太一 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00392374)
矢口 裕章 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (00421975)
池内 健 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20372469)
高橋 秀尚 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30423544)
若林 孝一 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50240768)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | Bassoon proteinopathy / Bassoon / 進行性核上性麻痺 / ubiquitin / tauopathy / タウオパチー |
研究開始時の研究の概要 |
シナプス前終末に存在するBassoon(BSN)遺伝子の異常が神経変性を惹起する可能性が提唱されている(BSN proteinopathy)。我々は遺伝性の進行性核上性麻痺(PSP)において、BSN遺伝子の異常を伴うことを見出し、蛋白質の分解機構が障害され、異常な蛋白質(タウ蛋白)が神経細胞に蓄積することも明らかにした。今回BSN遺伝子変異を有するノックインマウスを用いて、BSN遺伝子異常が神経変性を引き起こす病態機序を解明する。これによりPSPを含む様々な神経変性疾患においてBSNを標的とした新規治療法の開発や、診断・重症度を測るバイオマーカーの確立へと発展させることを目指す。
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研究実績の概要 |
2016年-2019年基盤研究Cを拝受し、申請者は家族歴を有する進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy; PSP)の家系例から、Bassoon(BSN)遺伝子の変異によりタウオパチーが発症し進展する可能性があることを発見した(Yabe I, et al. Sci Rep 2018; 8: 819)。BSN遺伝子変異による病理像は3リピートと4リピートのタウ蛋白質が蓄積するタウオパチーであり、海馬硬化を伴い既存の報告にない病態であることも示した。その結果、申請者の論文を引用し、Bassoon proteinopathyという疾患概念が提唱された (Schattling B, et al. Nat Neurosci 2019; 22; 887-896)。この先行研究に基づき、申請者らは2020年~2022年まで基盤研究B (Bassoon proteinopathyの病態解析研究)を拝受しBSNタンパク質がPSPなどのタウオパチーにおいてどのように発症にかかわるか解明を試みた。それらの研究成果に基づき共同研究を多施設間で展開しており、2023年度においては、複数例のBSN遺伝子変異を有する剖検例を神経病理学的に検討する機会を得た。いずれも4リピートタウタンパク優位の蓄積を伴う点で共通しており、それらの結果について論文投稿中である。また、それら剖検例に認められたBSN変異の病原性解析についても検討する予定である。また、われわれが世界で最初に見いだしたBSN変異を導入したノックインマウスも作成済みであり、12ヶ月齢までの行動解析と病理学的解析を行っている。これらの結果についても、論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年-2019年基盤研究Cを拝受し、申請者は家族歴を有する進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy; PSP)の家系例から、Bassoon(BSN)遺伝子の変異によりタウオパチーが発症・増悪する可能性があることを発見した(Yabe I, et al. Sci Rep 2018; 8: 819)。BSN遺伝子変異による病理像は3リピートと4リピートのタウ蛋白質が蓄積するタウオパチーであり、海馬硬化を伴い既存の報告にない病態であることも示した。その結果、申請者の論文を引用し、Bassoon proteinopathyという疾患概念が提唱された (Schattling B, et al. Nat Neurosci 2019; 22; 887-896)。この先行研究に基づき、申請者らは2020年~2022年まで基盤研究B (Bassoon proteinopathyの病態解析研究)を拝受しBSNタンパク質がPSPなどのタウオパチーにおいてどのように発症にかかわるか解明を試みている。 これらの研究を基盤として、2023年度においては、ヒト検体において複数例でのBSN遺伝子変異例病理所見を得た。こちらに関しては、現在論文投稿中となっている。またモデルマウスの作製も行い、行動解析と病理学的解析を行い、こちらも論文投稿を行っている。 上記のように、現在論文化を行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
2016年-2019年基盤研究Cを拝受し、申請者は家族歴を有する進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy; PSP)の家系例から、Bassoon(BSN)遺伝子の変異によりタウオパチーが発症・増悪する可能性があることを発見した(Yabe I, et al. Sci Rep 2018; 8: 819)。BSN遺伝子変異による病理像は3リピートと4リピートのタウ蛋白質が蓄積するタウオパチーであり、海馬硬化を伴い既存の報告にない病態であることも示した。その結果、申請者の論文を引用し、Bassoon proteinopathyという疾患概念が提唱された (Schattling B, et al. Nat Neurosci 2019; 22; 887-896)。この先行研究に基づき、申請者らは2020年~2022年まで基盤研究B (Bassoon proteinopathyの病態解析研究)を拝受しBSNタンパク質がPSPなどのタウオパチーにおいてどのように発症にかかわるか解明を試みている。 これらの研究を基盤として、2023年度においては、ヒト検体において複数例でのBSN遺伝子変異例病理所見を得た。こちらに関しては、現在論文投稿中となっている。またモデルマウスの作製も行い、行動解析と病理学的解析を行い、こちらも論文投稿を行っている。 現在上記のように、論文採択に向けて投稿を行っており、論文化を目指す。さらに今後不死化細胞株を用いた、BSN遺伝子変異による病原性解明を行う予定である。
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