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GPCRシグナルからみた統合失調症と気分障害の作業記憶と感情制御障害の神経基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K27532
補助金の研究課題番号 23H02841 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

紀本 創兵  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00405391)

研究分担者 石田 卓也  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10549728)
橋本 隆紀  金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40249959)
坪本 真  金沢大学, 附属病院, 助教 (40835906)
山田 信一  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70549716)
岡村 和哉  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20635734)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2026年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2025年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
キーワード精神病スペクトラム障害 / 認知機能障害 / GPCR / 視空間作業記憶 / 統合失調症スペクトラム / 機能的MRI / 感情認知バイアス / 死後脳 / 統合失調症 / 気分障害 / 作業記憶 / 感情制御 / GPCRシグナル
研究開始時の研究の概要

統合失調症および気分障害の患者および健常対照者におけるMRI画像解析、同群における死後脳解析と動物実験を相補的に組み合わせ、包括的な解析を行なう。
神経伝達物質をリガンドとするG蛋白質共役受容体(GPCR)シグナルを細胞内で調節するRGS4およびmicroRNAに着目し、統合失調症と気分障害におけるこれら発現と、そのRGS4発現変化の関与が想定される作業記憶や感情制御の障害の形成機序を明らかにし、各疾患・症状に対する新規治療法の標的となる領域や分子機構の解明および客観的な鑑別診断の開発に役立てる。

研究実績の概要

統合失調症 (SZ)、うつ病 (MDD)、双極性障害 (BD) で、その障害が確認されている視空間作業記憶障害の神経ネットワークの変化の疾患間での異同について、ネットワークを構成する一次視覚野 (V1)、二次視覚野 (V2)、後部頭頂皮質 (PPC)、背外側前頭前野 (DLPFC) の脳領域間の因果関係を考慮した因果性結合を評価した。この評価には、rsfMRIを用いてDynamic Causal Modeling(DCM )により行なった。解析には、和歌山県立医科大学で参加者を募った健常者41名、統合失調症26名、うつ病34名、双極性障害8名のrsfMRI 画像を使用した。
解析の結果、三疾患群で共通に異常を示す因果性結合として、左PPCから右PPC、左DLPFC から左PPC、左DLPFCから右V2への結合が同定された。さらに、SZ特異的な因果性結合としては、左PPCから左DLPFC、および左V2からDLPFC/PPCへの結合が見られた。MDD特異的な因果性結合としては、右V1 から左V1、左V1 から左PPCへの結合が確認された。BD特異的な因果性結合としては、右DLPFCからPPC、右V2、左V1への結合が認められた。疾患間で異同のある因果性結合の変化は、認知機能障害を有する統合失調症スペクトラムにおける視空間作業記憶の障害の病態基盤を解明する上で重要な一歩となる考えている。
現在は同様にMRI画像を用いた構造解析を行なっているほか、感情制御ネットワーク回路についての解析も行なっている。また当該年度は、動物実験および死後脳組織を用いた発現解析に向けて、実験室の整備や機器の購入および、予備的検証を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は当初計画していた、死後脳組織を用いた、GPCRシグナルに関わる遺伝子、特にRGS4やそれを制御しうる分子の発現解析が、予備的検証にとどまった。コロナ禍で海外出張が困難であり、共同研究先での関心領域からの灰白質組織の資料の抽出ができなかった。昨年度は、脳画像を含めた臨床研究および解析については研究参加者を募り解析を進めていっていったが、サンプル数、特に双極性障害のサンプルが十分に確保できなかった。

今後の研究の推進方策

同性で年齢が近い健常対照者、統合失調症患者、双極性障害患者、うつ病患者を1組として、研究参加者のリクルートを継続する。健常対照者、統合失調症患者、双極性障害患者、うつ病患者の背外側前頭前野において、RGS4と同じ染色体上に存在する他のRGSファミリー(Shriebman et al, 2022)の発現の定量も検討する。またRGSファミリー(特にRGS4)を制御するmicroRNA発現の解析も勧める。さらに、共同研究先のピッツバーグ大学に出張し、DLPFC以外の作業記憶および感情制御に関わる各大脳皮質領域より灰白質組織を切り出し、RNA抽出のための組織攪拌液を作成し、これらの領域において上記遺伝子の発現解析の準備を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Aberrant brain dynamics of large-scale functional networks across schizophrenia and mood disorder2024

    • 著者名/発表者名
      Ishida Takuya、Yamada Shinichi、Yasuda Kasumi、Uenishi Shinya、Tamaki Atsushi、Tabata Michiyo、Ikeda Natsuko、Takahashi Shun、Kimoto Sohei
    • 雑誌名

      NeuroImage: Clinical

      巻: 41 ページ: 103574-103574

    • DOI

      10.1016/j.nicl.2024.103574

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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