研究課題/領域番号 |
23K27543
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補助金の研究課題番号 |
23H02852 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
上原 知也 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (10323403)
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研究分担者 |
高橋 和弘 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20370257)
田中 浩士 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (40334544)
甘中 健登 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (60963577)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 前立腺がん / セラノスティクス / PSMA / 核医学治療薬剤 / ラジオセラノスティクス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、前立腺がんに対する様々な核医学診断・治療薬剤が開発され米国やEUで認可されている。本邦においてもそれら核医学診断・治療薬剤の 認可が期待されるが、それらに使用される放射性核種は海外からの輸入に依存しており、それらの使用は海外の事情に大きく左右される。一方 、フッ素-18、ヨウ素-123、さらにアスタチン-211は本邦で製造可能なハロゲン属の放射性核種である。本申請課題では、我々が開発した放射 性ハロゲン元素すべてを標識可能な標識基を用いた前立腺がんに対する本邦発の核医学診断・治療薬剤を作製し、安定供給可能な診断精度およ び治療効果の高い薬剤の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本申請課題では、我々が開発した放射性ハロゲン元素すべてを標識可能な標識基を用いた前立腺がんに対する本邦発の核医学診断・治療薬剤を作製し、安定供給可能な診断精度および治療効果の高い薬剤の開発を目指す。 2023年度は、我々が開発したアスタチン-211を安定に保持できるNpG骨格を用い、高放射能量で標識物が得られる標識法の探索を行った。モデル化合物を用いたNpG結合化合物の検討より、第一段階の標識後、精製を行うことで、第二段階の酸を用いた脱保護反応が効率よく進むことを見出した。本方法をNpG-PSMAに適応しても同様に反応が進みアスタチン-211標識NpG-PSMAを得ることができた。また、フッ素-18標識化の検討も行った。モデル化合物を用いたNpG結合化合物によるフッ素-18標識による基礎検討を行い、超脱水の溶媒を用いた共沸を繰り返して得られたフッ素-18を用いることにより、フッ素-18標識NpG化合物を得ることができた。モデル化合物を用いたアスタチン-211標識化合物とフッ素-18標識化合物をマウスに投与し、その体内動態を評価したところ、同様の体内動態を示した。以上の結果は、NpG-PSMAのアスタチン-211標識体とフッ素-18標識体においても、同様の体内動態が期待できることを示唆すると考えられる。 新規のNpG結合PSMA標識化合物の開発では、PSMAの結合部位である非対称ウレア構造にアミノアジピン酸を導入した薬剤を設計合成し、その有用性を評価した。腎臓への非特異的集積は減少したが、腫瘍への集積も減少し、更なる薬剤設計が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は、NpG骨格の標識条件の検討が主となるため、初めに、NpG-PSMAよりも低分子で合成の容易なモデル化合物を用いて評価を行った。その中で、アスタチン-211およびフッ素-18標識を行う上で、効率的に標識可能な条件を見出した。また、これらの標識薬剤が同様の体内動態を示すことを見出した。次いで本成果をNpG-PSMAへ展開し、アスタチン-211標識においては、NpG-PSMAを用いた標識にも適用可能であることを確認した。一方、フッ素-18標識においては、NpG-PSMAを用いた標識にも適用可能であったが、その収率は低値であった。原因としては、脱水操作が不十分であると考えられ、更なる脱水操作により改善できると考えている。従来、フッ素-18を用いたNpG-PSMA標識はほぼ標識できていなかったことより、本標識方法は非常に有用と考えている。 新規のPSMA標的化合物では、腎臓のみならず腫瘍への集積低減も観察され、更なる薬剤設計が必要と考えられた。このような、腫瘍への集積知恵科は当初からその可能性を考慮しており、更なる薬剤の開発を進めている。 以上より、昨年度の研究の進捗状況としては、ほぼ順調に研究は進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の検討では、アスタチン-211を用いたNpG-PSMAの標識において、効率的に標識できる方法を見出した。しかしながら、2回の精製操作を必要とし、放射化学的変換率は高いものの、総放射化学的収率が低いことが問題となった。そこで、現在行っているSep-PakおよびHPLCを用いた精製法をより簡便な精製方法へと変換することが可能かを評価することで、総苞者科学的収率の改善を目指す。一方、フッ素-18標識においては、脱水操作が不十分であると考えられる、放射学的変換率の低下が観察された。脱水操作の改善を図ると共に、自動合成装置への展開も考慮し、その方法を探る。最終的にアスタチン-211標識NpG-PSMAとフッ素-18標識NpG-PSMAのマウス体内動態を評価し、その相同性を評価する。 新規のPSMA標的化合物の開発では、アミノアジピン酸構造の導入により、PSMAへの結合親和性の低下が観察された。本年度は、アミノアジピン酸構造の導入によりPSMAへの親和性の低下を脂溶性ポケットへ親和性を有する部位の導入により、改善を図る。以上のような検討から、腎臓への集積を低減し、腫瘍への集積を示す新規薬剤の開発を目指す。
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