研究課題/領域番号 |
23K27584
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補助金の研究課題番号 |
23H02893 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小玉 尚宏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10623275)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 膵癌 / 胆管癌 / Regnase-1 / がん微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、肝臓や膵臓での慢性炎症が上皮細胞におけるRegnase-1機能低下を誘導し、胆管細胞癌や膵管癌の発症を促進させることを突き止めている。本研究では、炎症調節の破綻による細胞間相互作用を介した癌エコシステム形成に焦点を当て、KOマウスとヒト臨床試料の時空間的解析により、Regnase-1を介した胆膵癌の発症・進展分子機構を解明する。
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研究実績の概要 |
膵炎は膵管腺癌(PDAC)の重要な危険因子であることが知られている。しかし、炎症がPDACを促進する正確な分子メカニズムはまだ完全には解明されていない。エンドリボヌクレアーゼであるレグナーゼ-1は、炎症関連遺伝子のmRNAを分解することで免疫応答を制御している。ここで、我々はPDACにおけるレグナーゼ-1の役割を調査した。39例の外科的に切除されたPDAC患者において、腫瘍内レグナーゼ-1発現の臨床的意義を免疫組織化学的に評価した。レグナーゼ-1の機能的役割は、膵特異的レグナーゼ-1ノックアウトマウスおよびKras変異レグナーゼ-1ノックアウトマウスを用いて検討した。遺伝子サイレンシング、RNA免疫沈降シーケンス(RIP-seq)、免疫細胞再構成による機序研究は、ヒト/マウスPDAC細胞株およびKrasG12D変異PDAC細胞およびTrp53欠損PDAC細胞の同所移植モデルを用いて行った。レグナーゼ-1発現は、PDAC患者の臨床転帰と負の相関を示し、無再発生存率および全生存率の不良の独立した予測因子であった。マウスにおける膵臓特異的レグナーゼ-1欠失は、PMN-MDSC浸潤を伴う膵臓がんを促進し、生存期間を短縮させた。同種同所性PDACモードでは、Regnase-1のダウンレギュレーションが腫瘍内CD11b+MDSCsのリクルートメントを介して腫瘍の進行を促進することが示された。機序的には、レグナーゼ-1はMDSCのリクルートと活性化に重要な様々なケモカイン/サイトカインを直接ネガティブに制御していた。以上から、REG-1が膵がんの新規治療標的になる可能性について、論文報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
胆膵癌における炎症と発がんの関係について検討を行っている。レグネース1分子の関与を胆膵癌で見出し検討を行っているが、すでに現在までに膵癌についての論文化を達成しており、当初の計画以上に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
胆管がんにおけるレグネース1分子の役割について、肝特異的レグナーゼ-1ノックアウトマウスの表現型解析、ヒト/マウス胆管がん細胞株を用いた遺伝子サイレンシングやRNA免疫沈降シーケンス(RIP-seq)による機序解明研究を実施する。
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