研究課題/領域番号 |
23K27587
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補助金の研究課題番号 |
23H02896 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高見 太郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60511251)
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研究分担者 |
松本 俊彦 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70634723)
山本 直樹 山口大学, 教育・学生支援機構, 教授 (90448283)
藤澤 浩一 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00448284)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 肝硬変症 / エクソソーム / 細胞外小胞 / 間葉系幹細胞 / 再生療法 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は自己骨髄間葉系幹細胞(MSC)を用いた再生療法の開発に取り組み医師主導治験として「自己完結型肝硬変再生療法」を実施中である。また我々はこれまでに骨髄MSC由来細胞外小胞(EV)のマウス肝硬変治療効果を確認し、さらにiPS細胞由来MSC(iMSC)や閉鎖系MSC3次元培養等の技術蓄積がある。そこでこれらを統合し、超低侵襲・即投与可能・低リスクである再生療法として「閉鎖系3次元培養装置の培養液から抽出したiMSC由来EVを注射剤とするセルフリー肝臓再生療法」を臨床実現させるため、本研究においてiMSC由来EVの有効性および安全性をマウス肝硬変モデルで検証することにより非臨床PoCを取得する。
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研究実績の概要 |
肝臓領域のアンメット・メディカルニーズのひとつは非代償性肝硬変である。これに対して我々は自己骨髄間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell; MSC)を用いた再生療法の開発に取り組み医師主導治験として「自己完結型肝硬変再生療法(培養自己骨髄MSCを肝動脈投与する方法)」を実施中である。この医師主導治験は自己骨髄MSCを投与する方法であるため、骨髄採取量が限定されているため投与回数には上限があり、高齢ドナー細胞の品質は低下傾向である。 そこで本研究は、自己細胞を用いないiPS細胞から分化誘導したMSC(iMSC)由来細胞外小胞(EV)を投与するセルフリー治療を開発することを目的としている。令和5年度は、培養iMSCからより多くのEVを回収する方法をナノ粒子イメージングアナライザーにより比較検討し、またGubra-Amylin NASH (GAN)食を給餌したMASLDマウスモデルに対してiMSC-EVを尾静脈から複数回投与することによる治療効果を評価した。その結果、GAN食のみを給餌したコントロール群と比較してiMSC-EV投与群では肝機能障害や高脂血症が改善することが血液生化学検査で確認された。また肝組織をHE染色およびシリウスレッド染色で評価すると脂肪沈着や線維化が改善していることも確認した。今後は各種遺伝子発現解析や免疫染色などを追加することで、これら改善メカニズムの解明を進める。また脂肪沈着させた肝がん由来細胞株にiMSC-EVを添加培養する実験系などにより、iMSC-EVが肝脂肪化を改善させるメカニズムも探索していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は自己細胞を用いないiPS細胞から分化誘導したMSC(iMSC)由来の細胞外小胞(EV)を投与するセルフリー治療を開発することを目的としている。初年度の令和5年度において、マウス肝線維化モデルに対するiMSC-EV尾静脈複数回投与が、肝障害、肝脂肪沈着、肝線維化を改善させることを確認しているため。
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今後の研究の推進方策 |
マウス肝線維化モデルに対するiMSC-EV複数回投与効果の再現性を確認する。またiMSC-EVが肝脂肪沈着を改善させる機序を、脂肪沈着させた肝がん由来細胞株にiMSC-EVを添加培養する実験系などにより解明する。
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