研究課題/領域番号 |
23K27613
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補助金の研究課題番号 |
23H02922 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
土肥 良一郎 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (00817786)
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研究分担者 |
桂 廣亮 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (00894411)
土谷 智史 富山大学, 学術研究部医学系, 特命教授 (30437884)
坂本 憲穂 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (30448493)
佐藤 香枝 日本女子大学, 理学部, 教授 (40373310)
岩竹 真弓 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (40624614)
森本 充 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (70544344)
松本 桂太郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (80404268)
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2025年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | オルガノイド / 肺線維症 / マイクロ流体デバイス / 脱細胞化 / in vitro モデル / 肺胞オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
疾患肺のヒト2型肺胞上皮初代細胞などをオルガノイド技術での効率的な単離培養を確立したのち、肺線維症特異的な細胞外マトリックスを脱細胞化技術でin vitroで段階的に再現する手法を確立する。つぎに、臓器チップ技術に組み込み、より生体内に近い臓器環境下で、ヒト肺線維症の病態を段階的に再現できるモデルを確立する。最後に、損傷肺胞上皮細胞における線維化発症の新たなメカニズムを解明し、創薬標的をみつけ、画期的な抗線維化薬の創薬に繋げる。
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研究実績の概要 |
肺線維症において上皮細胞を標的とした抗線維化薬の創薬が困難な原因は線維化過程におけるヒト2型肺胞上皮細胞の異常が周辺環境(間質細胞、ECM、炎症細胞)へ与える影響が未解明であるためと考えた。本研究では、脱細胞化細胞外マトリックスを基盤とする肺線維症モデルとヒト組織由来2型肺胞上皮初代細胞の培養技術と「Organ-on-a chip」技術を組み合わせることで、新たな革新的in vitroヒト肺線維症モデルの作成を提案する。従来不可能であった肺胞上皮細胞やヒト体内の高次機能(複数種の細胞間・臓器間の相互作用)における発症のメカニズムを解明し、画期的な抗線維化薬の創薬に繋げたい。 R5年度は、脱細胞化による肺細胞外マトリックスの抽出に関して、マウスサイズへのスケールダウンを可能とし、マウス脱細胞を超低圧灌流で行い無傷に近い細胞外マトリックスを抽出するシステムを構築した。つぎに、マウス脱細胞化ECM上におけるオルガノイド由来2型肺胞上皮細胞の新規培養系の開発を開始した。マウス肺胞オルガノイドへECM上で平面培養できる培養条件の探索を進めている(条件の最適化の途中)。2型肺胞上皮細胞のレポーターマウスの導入を開始した。セルカルチャーインサートを用いた肺胞上皮細胞と線維芽細胞との共培養モデルにおいては、脱細胞化ECM上で培養した 肺胞オルガノイド、線維芽細胞の各々が、生体内にある 2型肺胞上皮細胞、線維芽細胞と類似した遺伝子発現プロファイル、蛋白発現を維持していることを確認する必要があり、まだ解析を開始した。また、並行してin vitro肺線維症モデルの基盤となる流体デバイスの作成を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2型肺胞上皮のレポーターマウスの導入が遅れており、マウスでの肺線維症in vitroモデルのプロトタイプ作りおよび解析に遅れが生じている。その間は、流体デバイスの作成などを先行して行い、進捗の遅れを軽減するように努めた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進策として、2型肺胞上皮細胞のレポーターマウスの作出を外注することで、実験への取り組みを急ぐ。つぎに律速段階となるin vitroモデルのプロトタイプ作成については、肺特異的な線維芽細胞および血管内皮細胞については単離・培養技術の提供を受け、研究協力をお願いする。流体デバイスの組み込みについては、モデルの確立と細胞表現型の解析を容易にするために、マイクロ流体デバイスOrganoplateの導入を行い、モデル開発部分の不安定要素を軽減するように努める。
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