研究課題/領域番号 |
23K27637
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補助金の研究課題番号 |
23H02946 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
北浦 次郎 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (30282651)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | ペア型免疫受容体 / アレルギー / 炎症 / アレルギー・炎症 / アレルギー・炎症性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の核心をなす学術的「問い」として、「CD300は生体内外のリガンドを認識してアレルギー・炎症をどのように制御するか?」を掲げ、CD300の生体内外リガンドのレパートリーとCD300によるアレルギー・炎症制御の仕組みを解明する。最終的に、アレルギー・炎症性疾患に対するCD300f標的療法の分子基盤を築くこと、特に、安定したセラミドリポソームの臨床応用を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、CD300の生体内外リガンドのレパートリーとCD300によるアレルギー・炎症制御の仕組みを解明し、アレルギー・炎症性疾患に対するCD300f標的療法の分子基盤を築くことである。CD300fの細胞外領域を利用するレポーターアッセイ及び骨髄由来マスト細胞の解析(IgEと抗原による脱顆粒率の測定など)から、CD300fアゴニストとしての作用が強く生体内にも存在するセラミド分子種を選び、その安定したリポソームを作製した。セラミドリポソームはCD300fを標的として骨髄由来マスト細胞の脱顆粒を抑えることを示した。また、セラミドリポソームの点鼻はマスト細胞とIgEの関与するアレルギー性鼻炎モデルにおける症状を抑えることを明らかにした。アスペルギルス属真菌の水溶性分子にCD300bリガンドが存在することに着目し、アスペルギルス属真菌の水溶性分画の各種カラムに対する吸着と溶出を試みた。CD300bの細胞外領域を利用するレポーターアッセイを行い、CD300bのリガンド活性の高い分画を見出し、HPLCを駆使してその分子の組成と分子量を明らかにした。アスペルギルス属真菌に特徴的な分子の誘導体である可能性が高く、その正確な同定を試みている。低・中分子ライブラリーからhCD300fアゴニストをスクリーニングするため、確立したアッセイ系を利用し、hCD300fの2量体形成を強く促す分子を選んだ。また、マスト細胞を利用してhCD300fの抑制作用を評価し、hCD300fアゴニストの候補分子を複数見出した。現在、スクリーニング分子を広げて、hCD300fアゴニストとして最適な分子の同定を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CD300fアゴニストとしての作用が強く生体内にも存在するセラミドの安定したリポソームを作製し、その投与が複数のアレルギー疾患に対して有効であることを見出している。他方、低・中分子ライブラリーからhCD300のアゴニスト候補分子を複数見出している。いずれの成果も、CD300fを標的とする治療法開発の分子基盤形成につながる。また、アスペルギルス属真菌の水溶性分画に存在するCD300bリガンドの組成と分子量を決めることができた。この結果は、アスペルギルス属真菌に対する免疫応答の分子機序解明に役立つと予想される。従って、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
様々なセラミド・スフィンゴミエリン分子種の中からCD300fアゴニストとして最適な分子を決め、その安定したリポソームを作製し、種々のアレルギー・炎症性疾患に対する予防・治療効果をマウスモデルで解析する。低・中分子ライブラリーを利用するhCD300fアゴニストの探索を継続する。アスペル属真菌の水溶性分画に存在するCD300bリガンド分子を確定し、CD300bによるその分子の認識がアスペルギルス属真菌による炎症をどのように制御するかを明らかにする。リガンド分子が同定されていないCD300ファイミリー分子のリガンド同定を進め、その生理的な意義を解明する。これらの実験を有機的に展開して、研究目的の達成を目指す。
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