• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

健康・長寿をもたらす腸内細菌の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K27654
補助金の研究課題番号 23H02963 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分54040:代謝および内分泌学関連
研究機関九州大学 (2024)
慶應義塾大学 (2023)

研究代表者

新 幸二  九州大学, 医学研究院, 教授 (60546787)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
キーワード腸内細菌 / 長寿 / 代謝産物 / 胆汁酸 / ステロイドホルモン / ステロイド
研究開始時の研究の概要

百寿者の便中に特異的に存在していた二次胆汁酸の宿主への作用について受容体の同定、シグナル伝達経路の解明を行う。同時に、百寿者由来腸内細菌株を使用して、腸内細菌による新規コレステロールやステロイドホルモンの代謝経路の解明を行い、腸内細菌を用いた疾患予防法の開発および健康長寿社会の実現につなげることを目的として研究を行う。

研究実績の概要

これまでの研究において、百歳以上の百寿者から単離した腸内細菌が特殊な二次胆汁酸の代謝を行い、生成されたisoallo-LCAがグラム陽性病原性細菌の排除に効いていることを明らかにしてきた。胆汁酸とステロイドホルモンは共通のステロイド骨格をもつため、ステロイドホルモンの代謝に腸内細菌が関与しているのかを検討した。百寿者の便サンプルから単離した腸内細菌68菌株をテストステロンを加えた培地で培養し、48時間後の培養上清中の代謝物を質量分析計で解析した。その結果、先の胆汁酸の代謝で同定した5α代謝物やヒト体内でも見られる5β代謝物など既知のテストステロン代謝物が検出された。しかしながら、バクテロイデス目がもつ5α還元酵素以外に腸内細菌が持つステロイド代謝に関わる遺伝子はほとんど同定されていない。また、これまで報告されていない構造を持つテストステロン代謝物も検出されている。そのため、ステロイドホルモンの代謝を行う腸内細菌種の同定と責任遺伝子の同定、新規ステロイド化合物の構造解明・機能解明を行っていく必要がある。また腸内細菌が産生したステロイド代謝物が我々宿主にどのような影響を与えているかについても今後解析を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は百寿者由来の腸内細菌を用いたテストステロン代謝経路の網羅的スクリーニングを行った。質量分析計の最適化に時間がかかったが、これまで胆汁酸で得られた結果と一致するデータが得られたことから、信頼できる測定・解析系を構築することができた。予想されたステロイド代謝物以外にも様々な代謝物が検出され、腸内細菌の広大な機能が未解明であることが明らかになった。

今後の研究の推進方策

ステロイド代謝を行う腸内細菌種・遺伝子の同定
ステロイド代謝を行う腸内細菌のゲノム解読、遺伝子産物のドメイン解析、基質を添加した際の遺伝子発現変化から候補遺伝子を絞り込む。また、候補遺伝子産物のリコンビナントタンパク質の合成や候補遺伝子の欠損細菌株を作成し代謝経路に関与する遺伝子を同定する。

ステロイド代謝産物の宿主作用の解析
百寿者や健康高齢者、若年健常者から収集した便サンプルでのステロイド代謝物を定量し、年齢による変化、長寿との相関のある代謝物を探索する。得られた候補代謝物の受容体の探索のため、Gタンパク質共役型受容体や核内受容体のスクリーニング系を立ち上げ、候補受容体を同定する。無菌マウスに責任腸内細菌を定着させ、便中や血中の代謝物を測定するとともに、様々な臓器・組織でのRNA-seqを行い受容体の発現と腸内細菌定着による下流遺伝子発現変化を検討する。長寿に関与する表現型(高血圧、糖尿病、がん、慢性炎症、筋肉量、骨量など)を中心に、ステロイド代謝物がどのような生理的意義をもつかを検証する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Centenarians have a diverse gut virome with the potential to modulate metabolism and promote healthy lifespan2023

    • 著者名/発表者名
      Johansen Joachim、Atarashi Koji、Arai Yasumichi、Hirose Nobuyoshi、Sorensen Soren J.、Vatanen Tommi、Knip Mikael、Honda Kenya、Xavier Ramnik J.、Rasmussen Simon、Plichta Damian R.
    • 雑誌名

      Nature Microbiology

      巻: 8 号: 6 ページ: 1064-1078

    • DOI

      10.1038/s41564-023-01370-6

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Diet-mediated constitutive induction of novel IL4+ ILC2 cells maintains intestinal homeostasis in mice2023

    • 著者名/発表者名
      Cui Wanlin, Nagano Yuji, Hatakeyama Masanori, Honda Kenya , et al.
    • 雑誌名

      Journal of Experimental Medicine

      巻: - 号: 8

    • DOI

      10.1084/jem.20221773

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 長寿に関与する腸内細菌の探索2023

    • 著者名/発表者名
      新幸二
    • 学会等名
      第46回日本基礎老化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 腸内細菌と長寿2023

    • 著者名/発表者名
      新幸二、佐藤優子、張暁曦、本田賢也
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 長寿につながる腸内細菌の同定2023

    • 著者名/発表者名
      新幸二、佐藤優子、張暁曦、本田賢也
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi