研究課題/領域番号 |
23K27669
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補助金の研究課題番号 |
23H02978 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
谷口 浩二 北海道大学, 医学研究院, 教授 (20627020)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | がん / 炎症 / 記憶 / 消化器 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、皮膚上皮幹細胞が感染や損傷を記憶して次回の感染や損傷に対して速やかに応答できる「炎症記憶」という現象が報告され注目されている。しかし、消化器において、同様の炎症記憶が存在するのかどうか、また消化器の再生・修復や消化器がんでの炎症記憶の役割はこれまで検討されていない。 今回の研究では、消化器(腸、肝臓、膵臓)での炎症記憶現象の意義とメカニズム(エピゲノム変化状態や関連するシグナルや転写因子など)を明らかにして、各臓器の炎症性疾患とがんの新たな視点からの病態解明を目的とし、今回の知見に基づいた新規予防・治療方法の開発を行うことを最終的な目標とする。
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研究実績の概要 |
以前は炎症刺激や感染に対する記憶は免疫細胞(獲得免疫細胞と自然免疫細胞)のみに起こると考えられていたが、最近の研究で皮膚においては免疫細胞のみならず、非免疫細胞である皮膚幹細胞も炎症を記憶しており、2回目の刺激に対して素早く反応して創傷治癒を促進する事が報告された。消化器において同様の現象があるのかの研究はなされていない。 今回の研究では消化器における長期炎症記憶現象の有無を確認後、上皮幹細胞や免疫細胞の相互作用を中心とした消化器の炎症記憶・再生とその分子メカニズム(シグナル伝達経路や転写因子、サイトカイン)を明らかにする事を目的とし、最終的に炎症性疾患や消化器がんの予防・治療法の開発へとつなげる事を目標とする。 今年度は上記の研究目的のためにマウス実験とがん培養細胞・オルガイド実験を中心に行い、消化器の炎症記憶現象の解析を行った。具体的には野生型マウスや各種ノックアウトマウス用い、消化器の炎症記憶に必要なシグナル経路と分子の同定を目指し、マウスサンプルを用いてWestern blot法やリアルタイムPCR法などを行った。またがん培養細胞・オルガノイドの実験系を用いて炎症記憶メカニズムの解析を行った。今後炎症記憶との関連が示唆された分子に関して、ノックダウンやノックアウト、過剰発現などを行い、その分子の炎症記憶においての重要性や役割を検討していく。必要に応じて、その分子のノックアウトマウスを作製を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に従って、がん培養細胞やオルガノイド、マウスを用いた実験を行い、その研究成果の一部の学会発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きがん培養細胞やオルガノイド、マウスを用いた実験を行い、研究を遂行していく。
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