配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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研究実績の概要 |
人工心肺を用いた心臓大血管手術が予定された成人患者を対象とし, 麻酔導入後, 手術終了時, 術後第1病日に採血を行い, ①血漿TFPI濃度, ②Calibrated automated thrombogramにおけるトロンビン生成ピーク値(PeakTG)を測定した. ②は, TFPI中和抗体処理およびヘパリナーゼ処理の有無の組み合わせによる4条件で測定し, TFPI中和抗体処理とヘパリナーゼ処理の影響について検討した.また、 ①第X因子活性化試薬を充填したカートリッジを用いたDBCM CT測定を行い、DBCM CTとPeakTGの相関性をSpearmanの順位相関係数により評価し、PeakTG<100nMをDBCM CTで判定した場合の診断能について, ROC曲線を用いた解析による検討を行った. 上記3回の採血ができた21例で検討した結果,手術終了時には麻酔導入後と比較して,TFPIの濃度の有意な上昇とPeakTGの有意な低下が認められた. 手術終了時における血漿TFPI濃度と対数化したPeakTGとの間には負の相関を認め,TFPI中和抗体およびヘパリナーゼによりTFPIによるPeakTGの減少幅は有意に小さくなったが, 二因子間で有意な交互作用は認められなかった. また、 各検体のPeakTGとDBCM CTの間には負の相関関係を認め, PeakTG<100nMをDBCM CTから判定すると仮定した場合のROC曲線では, 曲線下面積は0.97であり, カットオフ値は135秒, 感度92.7%, 特異度84.3%であった. これらの検討により、単施設における探索的な研究では、人工心肺離脱後のTFPI濃度の上昇に依存してTGが低下している可能性が示唆され、TG低下を評価するPoint of Care検査として, DBCMの臨床的有用性が示唆された.
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