研究課題/領域番号 |
23K27695
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補助金の研究課題番号 |
23H03004 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 純悟 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40465018)
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研究分担者 |
岩野 智 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 客員研究員 (10734832)
寅丸 智子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70594612)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 痛み / 恐怖記憶 / 生物発光技術 / 慢性痛 / 痛み恐怖記憶 / 記憶回路 / 前帯状回 / ストレス反応 / 神経活動 |
研究開始時の研究の概要 |
国民の約五分の一を煩わす国民病とも呼べる慢性痛患者の脳では、様々な領域の間で機能的な異常結合が形成されていることが知られている。本研究では、マウス神経障害性疼痛モデルにおいて、精神科的研究領域の文脈的恐怖条件付け実験パラダイムを組み合わせ、痛み恐怖記憶の想起による痛み誘発モデルの構築し、独自の脳組織透明化による3次元的免疫組織学的解析や人工生物発光による非侵襲的な中枢神経活動の可視化(AkaBLI)技術やなどの先端技術を応用することで、「痛み恐怖記憶想起によりどのような機序で痛みが増幅されていくか?」という本研究の核心をなす学術的「問い」に対する答えを見出す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、痛み増幅機序における痛み記憶の関与を探索するため、マウス神経障害性疼痛モデルにおいて、精神科的研究領域の文脈的恐怖条件付け実験パラダイムを組み合わせ、痛み恐怖記憶の想起による痛み誘発モデルの構築した。そこに本共同研究チームが有する独自の脳組織透明化による3次元的免疫組織学的解析や人工生物発光による非侵襲的な中枢神経活動の可視化(AkaBLI)技術やなどの先端技術を応用することで、「痛み恐怖記憶想起によりどのような機序で痛みが増幅されていくか?」という本研究の核心をなす学術的「問い」に対する答えを見出すことである。これまでに、痛み恐怖記憶モデルにおけるresponder群とnon-responder群との比較検討において、responder群の脊髄で直近の神経活動の活性化を示すArc陽性細胞の数が増加傾向にあることを見出した。また、c-Fos mappingを用いて、脳内各領域におけるニューロンの活性化の度合いを検討しており、responder群での大脳皮質において痛み恐怖記憶想起時のニューロン活性化がむしろ抑制傾向にあることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
痛み恐怖記憶モデルにおけるresponder群とnon-responder群での比較検討により、痛み増強機構に関わる脳領域およびそこで関与するニューロン集団の同定は達成されつつある。一方、この痛み増強機構における神経回路の同定はまだ達成されていない。
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今後の研究の推進方策 |
c-Fos mappingで同定された痛み記憶想起による痛み増強機構に関与するニューロン群の特徴付けをさらに進めていく。脊髄と脳を結ぶ神経回路を同定するべく、逆行性・順光性ニューロトレーシングを試みる。これらが順調であれば、同定された神経回路をオプトジェネティクス・ケモジェネティクスにより機能調節することにより、痛み恐怖記憶による痛み増強機構への関与を実証するとともに、治療への発展性を探索する。
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