研究課題/領域番号 |
23K27706
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補助金の研究課題番号 |
23H03015 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤村 幹 北海道大学, 医学研究院, 教授 (00361098)
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研究分担者 |
伊東 雅基 北海道大学, 大学病院, 助教 (10399850)
川堀 真人 北海道大学, 医学研究院, 講師 (50399870)
久下 裕司 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | もやもや病 / 幹細胞 / シート / 脳虚血 / 間葉系幹細胞 / 幹細胞シート |
研究開始時の研究の概要 |
もやもや病は内頚動脈終末部の狭窄化を主体とする脳血管疾患で、治療には直接血行再建と間接血行再建が単独もしくは併用で用いられる。乳児や既手術患者へは間接血行再建のみが行われる事も多いが、新生血管発達までに虚血症状が進行する時間的問題、十分な新生血管が得られない発達的問題などの課題があった。申請者は間葉系幹細胞シートの強い血管新生能を利用し、この時間的・発達的問題点を解決できる可能性に着目した。本研究では「間接血行再建に用いる側頭筋と脳表間に幹細胞シートを貼布する」事で側頭筋からの血管新生能の強化の可能性、またその機序の一つとして内在性幹細胞の賦活化と賦活因子の同定を概念実証する事を目指す。
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研究実績の概要 |
ラット慢性脳虚血モデル(4 vessel occlusion model、両側椎骨動脈遮断の翌日に両側の内頚動脈遮断を追加する)の習得を行い、低い死亡率(約10%)にて全脳虚血が誘発される状態を作成する事が可能となった。全脳虚血の確認には心臓から墨汁液を灌流する事で全身の血管に墨汁が充填されるが、脳に関しては細い側副血行を介する事から墨汁が入っていかない事によって確認した。このモデルに対して、ヒト羊膜由来間葉系幹細胞(Amnion derived mesenchymal stem cell)からなる幹細胞シートをCellSaic社のアップセルを使用して作成し、脳表に貼り付けることによる血流回復の検討を行った。貼り付けは当初硬膜越しに行っていたが、通常のモヤモヤ病患者の手術に類似する形態を目指して、より血管を呼び込む効果が高いと考えられる硬膜下に貼り付ける方法に変更した。これらのシートを貼り付けた後に、骨を戻さず側頭筋を脳表に貼り付け、モヤモヤ病患者と同じように血管新生を誘発できるかについて検討する事にした。 しかし予想に反し、ヒト幹細胞シートを貼り付けた群においては、脳表の神経細胞の脱落が顕著に認められており、運動機能的にも回復は認められなかった。これはヒト由来のシート張付けによって強力な炎症反応とそれに引き続く形での脳の損傷が生じている事が原因と考えられた。これまでの我々の報告とも違った結果となり、異種に対する免疫反応が生じている事が原因と考えられた。これに対してラット由来の卵膜シートを検討する事としてその製造方法の改良に着手し、製法が確立された
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Negativeな結果であったが、4 vessel occlusionモデルの作成や免疫染色法(脱灰を含む)などの技術的な確立が得られたため、今後細胞シートを変更する事で進める事が出来ると考えた
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今後の研究の推進方策 |
幹細胞シートをヒトからラットに変更し、ラット羊膜由来間葉系幹細胞シートとラット脂肪由来間葉系幹細胞シートの2つを作成し脳表に貼り付ける予定である
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