研究課題/領域番号 |
23K27729
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補助金の研究課題番号 |
23H03038 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
水野 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70448710)
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研究分担者 |
加藤 大貴 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00620931)
西尾 英紀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (10621063)
林 祐太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40238134)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
岩月 正一郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (70595397)
梅本 幸裕 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (80381812)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2026年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2025年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 精子幹細胞 / Sertoli細胞 / バイオマーカー / 生殖医療 |
研究開始時の研究の概要 |
精子形成は、胎児期から連続的に独自の細胞分化をへて進む過程である。その中心は、精子の供給源「精子幹細胞」であり、近年、幹細胞ニッチと呼ばれる微小環境の重要性が注目されている。私たちは、精子幹細胞の分化メカニズムと造精機能障害における幹細胞の挙動を解明すべく研究を進めてきた。その成果として、幹細胞ニッチを構成する発育途中のimmature Sertoli細胞が幹細胞分化に重要であることを見いだした。さらに研究を発展させるため、本研究ではSertoli細胞の成熟が精子幹細胞分化へおよぼす影響を解明し、Sertoli細胞機能をあらわすバイオマーカーを臨床へ実装することを目的とする。
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研究実績の概要 |
私たちは、精子幹細胞の分化メカニズムと造精機能障害における幹細胞の挙動を解明すべく研究を進めており、その過程で精子形成細胞を支持する体細胞であるSertoli細胞の挙動に着目した。「幼若期のSertoli細胞機能が変化すると精子幹細胞分化へどう影響するのか?」、さらに、「機能障害におちいったSertoli細胞を補完すると精子幹細胞の分化状態は改善するか? また、改善できるとしたら、その時期に特異性はあるのか? そしてそれはいつか?」という問いを元に本研究を着想した。本研究では、Sertoli細胞の成熟による精子幹細胞分化への影響を解明するとともに、immature Sertoli細胞の時期特異的マーカーを確立し臨床応用を目指すことを目的とした。 当初の計画では基礎的研究として、Sertoli細胞増殖抑制モデル動物を作成し精巣組織の評価を行う予定であった。5種類のモデル動物のうち、flutamide暴露ラットモデルの確立は完了しているが、その他のモデルの確立には至っていない。実験動物の精巣組織における各種タンパク質の局在・発現評価のための免疫染色を進めており、その結果、Sertoli細胞におけるSOX9・AMH発現などを確認することができた。また、精子幹細胞におけるDDX4、UTF1、GFRa1などの特異的抗体を用いた発現解析も進めており、固定方法や染色方法・条件検討を進めている。 また、ヒト精巣生検検体を用いた組織評価については、停留精巣・遊走精巣の精細管あたり精子形成細胞数をDDX4免疫染色により定量化する系を確立し、臨床情報(精巣位置、サイズ、血清ホルモン値など)との相関について解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Sertoli細胞増殖抑制モデル動物の作成以前に、実験動物の愛護の観点から解析手法を確実なものとすることを優先と考えたため、精巣組織の評価を徹底することを優先した。すなわち過去の研究で保存している実験動物の精巣組織検体を用い、Sertoli細胞・精子幹細胞の特異的マーカーの免疫染色について、切片作成から染色条件の検証を行っている。特に精子幹細胞の特異的マーカーとして、先行研究からGFRa1を選定しその評価に時間を要した。ホルマリン固定切片、凍結切片、さらに精巣組織から精細管のみをほぐしてwhole mount標本の作成などを行い、染色性などの検討が必要であった。その結果、実験動物の精巣組織におけるGFRa1蛍光免疫染色を効率よく行う条件を見出すことができた。 また、ヒト幼若精巣として停留精巣の手術時に得た生検検体を用いて、精巣組織中の精子幹細胞をDDX4免疫染色によって評価を進めている。一方で、成人症例については、症例の集積が進まなかった。過去の症例の解析を行うなどの方策を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
精子幹細胞に関しては、GFRa1を用いた評価が可能となったため、次年度ではSertoli細胞における特異的マーカーについての評価系を確立したい。さらに並行して、すでに確立したflutamide暴露ラットモデル以外のSertoli細胞増殖抑制モデル動物の作成・確立を行いたい。
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