研究課題/領域番号 |
23K27760
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補助金の研究課題番号 |
23H03069 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅原 俊二 東北大学, 歯学研究科, 教授 (10241639)
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研究分担者 |
黒石 智誠 東北大学, 歯学研究科, 講師 (30400261)
田中 志典 東北大学, 大学病院, 講師 (60637958)
多田 浩之 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70431632)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | IgA産生細胞 / 唾液腺 / 誘導組織 / 抗原特異性 / 定常状態 |
研究開始時の研究の概要 |
粘膜免疫は、粘膜免疫応答を誘導する誘導組織と、粘膜免疫応答を発動(発現)する実効組織から成る。分泌型IgA(SIgA)を分泌する唾液腺は実効組織として機能し、唾液、特に唾液に含まれるSIgAは我々の健康維持・増進に重要な因子として働いていると言われる。 しかしながら、健康な通常の状態(定常状態)での唾液腺IgA産生細胞がどこで誘導されるか(誘導組織はどこか?)、どのような機構で唾液腺に集積するのか(ホーミング機構は?)、唾液SIgAはどのような抗原を認識しているのか(抗原特異性は?)についての明確なエビデンスはない。本研究は、これらの学術的「問い」の解明を目的とする。
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研究実績の概要 |
唾液IgAの抗原特異性の解明
1.まず、定常状態における唾液IgAの抗原特異性を検討するために、腸内細菌に対する唾液IgAの結合能を解析した。マウス糞便抽出液(腸内細菌)を唾液(唾液IgA)と反応させた後、蛍光標識抗マウスIgA抗体およびDNA染色蛍光色素で染色し、フローサイトメーターによりIgA結合細菌を解析した。その結果、糞便抽出液と唾液と反応させることにより、糞便細菌に対する蛍光標識抗マウスIgA抗体の結合量(平均蛍光強度)が有意に増加した。この結果は、唾液IgAは腸内細菌に対して特異に結合する特性があることを示唆する。
2.さらに、唾液IgAと腸管IgAの抗原特異性を比較するために、口腔細菌と腸内細菌に対する結合能を解析した。マウスの唾液または糞便抽出液を嫌気条件下で培養することにより、唾液細菌(口腔細菌)または糞便由来細菌(腸内細菌)を調製した。この細菌を唾液(唾液IgA)または糞便抽出液(腸管IgA)と反応させた後、蛍光標識抗マウスIgA抗体およびDNA染色蛍光色素で染色し、フローサイトメーターによりIgA結合細菌を解析した。その結果、唾液由来細菌および糞便由来細菌のいずれにおいても、糞便中IgAが結合した細菌に比較して、唾液IgAが結合した細菌の割合が有意に高値であった。この結果は、唾液IgAは口腔細菌と腸内細菌に対して高い特異性を持つことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究により、定常状態における唾液IgAは口腔細菌と腸内細菌に対して抗原特異性を示すことが明らかになり、その詳細についても解析が進んでいる。さらに、唾液腺IgA産生細胞の誘導組織についての研究も進行中であることから、おおむね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1.唾液腺IgA産生細胞の誘導組織の解明:2023年度の研究により、唾液IgAは口腔細菌と腸内細菌に対しての特異性を示すことが明らかになった。この結果は、唾液腺と口腔粘膜所属リンパ節、腸管関連リンパ組織(GALT)が誘導組織として機能することを示唆する。今後は、この点を解明していく。
2.IgA産生細胞の唾液腺へのホーミング機構の解明:2023年度の研究により、GALTが誘導組織として機能することが示唆されたので、ケモカイン/ケモカイン受容体、インテグリン発現などを解析し、ホーミング機構について検討する。
3.効果的な抗原特異的唾液IgA誘導による感染防御についても検討する。さらに、唾液IgAの抗原特異性について唾液IgAseqなどの解析を通してさらに明らかにしていく。
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