研究課題/領域番号 |
23K27773
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補助金の研究課題番号 |
23H03083 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大森 一弘 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (20549860)
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研究分担者 |
中山 真彰 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10579105)
大原 利章 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40623533)
萬代 大樹 岐阜医療科学大学, 薬学部, 准教授 (60534427)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 歯周病 / 不妊 / Porphyromonas gingivalis / 免役寛容 / 免疫寛容 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、不妊治療のニーズが高まる一方、原因がはっきりしない原発性不妊症や不妊に関与する子宮内膜症および慢性子宮内膜炎の病態を解明することが強く望まれている。最近、歯周病原細菌の感染が着床障害や子宮内膜症の発症に関与することが報告され、不妊病態構築のリスク因子としての歯周病の可能性が着目されはじめている。しかし、不妊と口腔の関連性を紐解く分子メカニズムは未だ不明な点が多い。本研究では、歯周病が不妊病態の構築に与える影響について、「口腔と子宮の連関」に着目して解析を進め、新規標的分子を探索する。そして、不妊治療の成績向上に科学的に寄与することを目指す。
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研究実績の概要 |
近年、不妊治療のニーズが高まる一方、不妊原因がはっきりしない原発性不妊症(原因不明不妊)が不妊症例の約3割を占めており、原因不明不妊の病態を解明することが強く望まれている。最近、歯周病原細菌の感染と歯周組織に惹起された炎症が妊娠の成立に悪影響を与える疫学研究成果が報告され、不妊の新たなリスクファクターとしての歯周病の可能性が提唱されはじめている。しかし、不妊と歯周病の関連性を紐解く 分子メカニズムは全く不明である。そこで、本研究では、歯周感染と炎症が導く子宮の免疫寛容バランスの破綻と肥大化がもたらす新たな不妊の分子メカニズムを細菌学的・免疫学的視点から解明することを目的とする。 本年度は、Porphyromonas gingivalis(Pg)感染歯周病ー不妊マウスから摘出した子宮の切片を作製し、肥大化した子宮間質組織からPhoto-Isolation Chemistry (PIC)法を用いて、核酸を抽出した。そして、次世代シークエンス解析で標的候補遺伝子の抽出を行い、標的遺伝子の候補をリストアップした。また、子宮組織における性ホルモン受容体の発現を確認したところ、歯周病マウスモデルにおいて女性ホルモン受容体の発現に変化が生じていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
歯周炎症によって誘導される肥大化子宮組織から抽出した遺伝子の網羅的解析は順調に進められている。一方、細菌要因の影響(gingipain欠損株を用いた解析)の検討が予定通り進められていないため、引き続き検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、歯周病ー不妊マウスを用いたin vivoの研究を引き続き主体に下記項目を検討する。 1)Pgの病原因子Gingipainを欠損させた欠損株と野生株を 用いてPg感染歯周病-不妊マウスを構築し、子宮の免疫寛容バランスの破綻および肥大化に細菌因子の影響があるか検討する。さ らに、gingipainの有無が不妊のアウトカムの一つである出産数や胎児に影響を与えるか検討する。 2)子宮間質の肥大化に関与する免疫細胞や関連因子を探索・同定する。子宮肥大化に関与が予測される遺伝子を同定し、機能解析を行う。 3)リカバリーモデルとして抗菌・抗炎症薬の投与が子宮肥大化に及ぼす影響を調べる。Pg感染歯周病ー不妊マウスに抗菌薬、または抗炎症薬を投与するリカバリーモデルを作製し、子宮の性状に及ぼす影響を検討する。なお、使用する抗炎症薬は研究代表者の研究グルー プが長年研究している真菌由来二次代謝産物であるテレインを有機化学的に合成したものを用いる。 以上、3項目を中心に研究を進める予定である。
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