研究課題/領域番号 |
23K27780
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補助金の研究課題番号 |
23H03090 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
田中 準一 昭和大学, 歯学部, 准教授 (40710166)
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研究分担者 |
石田 尚子 昭和大学, 歯学部, 助教 (00882531)
安原 理佳 昭和大学, 歯学部, 准教授 (20453649)
大庭 伸介 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (20466733)
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
馬渕 洋 順天堂大学, 大学院医学研究科, 客員准教授 (50424172)
行森 茜 昭和大学, 歯学部, 助教 (60813748)
辻 孝 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (50339131)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2025年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2024年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 唾液腺 / iPS細胞 / オルガノイド / 大量培養 / 分化誘導 |
研究開始時の研究の概要 |
唾液腺再生医療の究極の目標は、患者由来の細胞から唾液腺組織を作り移植することである。本研究では、我々の開発したヒトiPS細胞由来の唾液腺オルガノイドと大量培養、および唾液腺同所移植技術を組み合わせて、真に機能的なサイズを有する唾液腺の再生に取り組む。さらに、これまで構築してきた唾液腺発生解析の知見と技術を生かし、臨床応用に向けた厳密な誘導法によるより高効率な唾液腺オルガノイド誘導方法の開発にも取り組む。
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研究実績の概要 |
唾液腺再生医療の究極の目標は、患者由来の細胞から唾液腺組織を作り移植することである。我々はこれまで、マウスES細胞およびヒトiPS細胞から唾液腺オルガノイドを誘導した。しかし、唾液腺切除マウスへの唾液腺オルガノイド移植では再生唾液腺のサイズが小さく、十分な唾液分泌量の回復は未だ果たせていない。そこで本研究では、ヒト唾液腺オルガノイドの移植により、唾液分泌量の回復を伴う新規唾液腺再生技術を開発する。ヒトiPS細胞由来の唾液腺オルガノイドと大量培養、および唾液腺同所移植技術を組み合わせて真に機能的な唾液腺の再生に取り組む。さらに、これまで構築してきた唾液腺発生解析の知見と技術を生かし、臨床応用に向けた誘導効率の改善についても探索する。 本年度は唾液腺の母組織である、口腔粘膜上皮の誘導効率の改善から取り組んだ。これまでの誘導方法では誘導初期の口腔粘膜の誘導の際に目的外細胞が含まれている可能性が考えられたため、初期分化誘導方法の検討を行った。具体的にはTGFbのinhibitorとBMP4の添加により再現性良く非神経系の外胚葉上皮がヒトiPS細胞から誘導されることが明らかとなった。しかしながらその後のBMP4の継続的な添加はオルガノイドの増殖を抑制するため、誘導二日目の単回刺激が最も効率よく非神経系の外胚葉上皮を誘導することが明らかとなった。 また、唾液腺オルガノイドの誘導方法の検討のために、唾液腺マーカーの一つであるAQP5のレポーターiPS細胞の作出にも取り組んだ。AQP5の下流にP2A-EGFPをCRISPR Cas9を用いてノックインを行った。ネオマイシン耐性クローンを得て、genomic PCRとsanger sequenceによりノックインが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は唾液腺の母組織である、口腔粘膜上皮の誘導において初期分化誘導方法の検討を行った。具体的にはTGFbのinhibitorとBMP4の添加により再現性良く非神経系の外胚葉上皮がヒトiPS細胞から誘導されることが明らかとなった。しかしながらその後のBMP4の継続的な添加はオルガノイドの増殖を抑制するため、誘導二日目の単回刺激が最も効率よく非神経系の外胚葉上皮を誘導することが明らかとなった。唾液腺オルガノイドの誘導方法の検討のために、唾液腺マーカーの一つであるAQP5のレポーターiPS細胞の作出も終了したため、進捗状況は概ね順調であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度に検討を行った初期誘導方法を用いて唾液腺オルガノイドへの分化誘導方法を確認する。さらに口腔粘膜から唾液腺オルガノイドの誘導方法についても検討を行う予定である。また、すでに樹立したAQP5レポーターiPS細胞を条件検討に用いることで、GFPの発現を指標に多条件についての検討を行うことができる。口腔粘膜誘導後の唾液腺オルガノイドの誘導にはバイオリアクターを用いることで唾液腺オルガノイドの大量培養技術の開発についても取り組む予定である。
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