研究課題/領域番号 |
23K27781
|
補助金の研究課題番号 |
23H03091 (2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
小野 高裕 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30204241)
|
研究分担者 |
高橋 一也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (10236268)
白水 雅子 京都光華女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (10879448)
小久保 喜弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 特任部長 (20393217)
堀 一浩 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70379080)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2026年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
|
キーワード | 咀嚼能力 / 咀嚼行動 / 高齢期 / 生活習慣病 / 認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
咀嚼(噛むこと)は、ヒトの一生を通じて行われる食物摂取に不可欠な行動であり、近年特に「よく噛む」ことと高齢期の心身の健康との関連性が注目されている。本研究では、地域高齢者を対象とした「脳と心臓の新規コホート研究(吹田研究NEXT)」において、咀嚼を能力面と行動面から包括的に評価することにより、この関連性について検証する。具体的には、既に有するデータベースと新規コホート研究のデータを前向きならびに後向きに解析し、フレイル、メタボリックシンドローム(MetS)、脳卒中、心不全、認知症などの罹患あるいは発症と関連する咀嚼の因子の検出と咀嚼能力や咀嚼行動における数値目標を得ることを最終目標としている。
|
研究実績の概要 |
2024年1月末の時点で吹田研究NEXTにおいて歯科検診の受診者は1474名(男性683名、女性791名、平均年齢75.0±6.4歳)であった。健診全体の受診者(1500名)の98.2%の同意が得られた。検診内容は以下の通りである。(1) 口腔内診査(DMF index、機能歯数、残存歯数、Eichner分類、CPI改訂法、舌苔付着)(2) 義歯の装着状況(全部床・部分床、維持の状態)(3) 機能検査(最大咬合力:デンタルプレスケール、咀嚼能率:検査用グミゼリー)(4) 歯科受診状況等(定期健診の有無、歯が何本あるかの認識)以上の各項目について粗解析を行うことにより、対象者の口腔健康状態の特徴を把握した。また、本研究のメインアウトカムである咀嚼能力については、咀嚼能力低下者の評価結果について、visual scoreと画像解析による判定との乖離の補正基準を検討した。さらにもう一つのメインアウトカムである咀嚼行動(咀嚼回数、咀嚼時間、取り込み回数、咀嚼テンポなど)の測定については、健診参加者が従来の吹田研究参加者(平均年齢67.1歳)と比較して高齢であり、また健診項目が非常に多いことから疲労度を考慮する必要があることが明らかとなり、対象者と測定日の設定を再考する必要があることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
吹田研究NEXTの健診は新型コロナウイルス感染症の5類移行により順調に推移し、歯科検診の受診率も98.2%と高く、2024年1月末の時点で受診者は1474名に達しており、口腔健康項目のデータ採得は順調に進んでいる。その一方で、咀嚼行動(咀嚼回数、咀嚼時間、取り込み回数、咀嚼テンポなど)の測定については、健診参加者が従来の吹田研究参加者(平均年齢67.1歳)と比較して高齢であり、また健診項目が非常に多いことから疲労度を考慮する必要があることが明らかとなり、現在も対象者と測定日の設定を再考しているため、測定開始が予定よりも遅延している。
|
今後の研究の推進方策 |
咀嚼能力をはじめとする口腔健康項目については順調にデータが得られているため、今年度より生活習慣病、心不全、感覚器障害、認知症との関係について横断解析を進めていく予定である。また、予定が遅延している咀嚼行動測定に関しては、参加者の年齢と疲労を考慮し、食品摂取中の誤嚥リスクを可及的に少なくすることを第一義に、国立循環器病センター健診部と慎重に検討を重ねている。現時点では、比較的年齢層が低く、自立度が高く、健診に対する参加意欲が高い「吹田研究オリジナルコホート」参加者から選抜すること、健診とは別日程を設定することなどが対策として上がっており、その方向で実施計画を策定する。
|