研究課題/領域番号 |
23K27798
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補助金の研究課題番号 |
23H03108 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
篠田 雅路 日本大学, 歯学部, 教授 (20362238)
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研究分担者 |
水田 健太郎 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40455796)
藤内 祝 明海大学, 保健医療学部, 教授 (50172127)
光藤 健司 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (70303641)
野間 昇 日本大学, 歯学部, 教授 (70386100)
中井 淳一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (80237198)
林 良憲 日本大学, 歯学部, 准教授 (80582717)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2027年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2026年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 口腔癌性疼痛 / 三叉神経節 / in vivo カルシウムイメージング / オプトジェネティクス / Legumain |
研究開始時の研究の概要 |
口腔癌性疼痛は著しいQOL低下を招くために効果的な鎮痛が求められるが、未だ疼痛コントロールが十分にできているとは言い難い。本研究では、口腔癌患者の癌組織に発現する口腔癌性疼痛発症に重要な候補分子を同定し、その分子に制御される三叉神経節の侵害受容ニューロンの時間的および空間的な活動性変化をin vivo Ca2+イメージングで「可視化」する。そして、三叉神経節内の各種細胞の活動性をオプトジェネティクス技術で人為的に制御し、口腔癌性疼痛発症に関わる細胞間ネットワーク可塑的変化を明らかにする。本研究の成果は、今後有効な新規治療法開発に展開し、口腔癌性疼痛に苦しむ患者のQOL向上に貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究では、横浜市立大学附属病院口腔外科にて、口腔癌と診断され、口腔癌に対して前治療歴がなく、手術療法、放射線療法または化学療法を受けていない患者を対象とした。同患者の口腔癌性疼痛の程度をVisual analogue scaleおよびvon Frey testで経日的に測定した。研究分担者(光藤)口腔癌切除時に癌実質組織と余剰正常粘膜を5ミリの紡錘形で採取した。コントロールとして口腔良性腫瘍摘出時、埋伏智歯抜歯時、顎骨嚢胞摘出・開窓時に余剰口腔粘膜を5ミリの紡錘形で採取した。すでに横浜市立大学附属病院倫理審査委員会で本研究は承認されている。現在、数名の口腔癌性疼痛の程度の評価および検体採取が完了しており、検体は研究代表者(篠田)が日本大学歯学部生理学講座にて厳重に保管している。解析に必要な検体数が集まり次第、プロテオーム解析を行う予定である。 ヒト口腔扁平上皮癌細胞 (HSC-2, JCRB細胞バンク) をBALB/c nude 雌性マウスに接種し、口腔癌モデルマウスを作製した。癌細胞接種後、顔面部スクラッチングやグルーミング行動を指標とした自発痛評価,von Frey testによる口腔内機械痛覚評価を経日的に行った。癌細胞接種後に明らかな自発痛と考えられる行動は確認できなかったが、癌細胞接種後3日目より癌細胞接種部に機械アロディニアが生じた。さらに、癌細胞接種部の機械アロディニアは、Legumain阻害薬の癌細胞接種部投与により減弱した。したがって、癌細胞接種部の機械アロディニアにはLegumainが関与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までに、研究がやや遅れている。本研究の横浜市立大学附属病院倫理審査委員会での承認が遅れたために、予定より採取した検体数が少ない状況である。すでに承認されているため、令和6年度は検体採取が加速すると思われる。口腔癌モデルマウスを使った研究はマンパワーが不足していたが、新たに研究協力者(大学院生4名)が加わり組織の摘出および前処理の協力を仰ぐことができるようになったため,効率的に疼痛関連分子の解析が可能であることから、令和6年度から効率的に実験を進めることができると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従って、研究を進める予定である。本年度は横浜市立大学附属病院口腔外科で口腔癌治療を受ける患者に積極的に研究に参加していただくように依頼し、口腔癌組織の検体採取数を増やす。 口腔癌モデルマウスの口腔癌性疼痛解析とともに、口腔癌性疼痛関連分子(現在Legumainを想定している)をウェスタンブロッティング法またはELISA法にて定量し、口腔癌モデルマウスにおける口腔癌性疼痛関連分子の発現変化を解析する。さらに東北大学にて、in vivo Ca2+イメージングでの三叉神経節における細胞活動解析を明らかにしていく予定であるが、日本大学歯学部および東北大学大学院歯学研究科の大学院生の協力を仰ぎ、効率的に実験を進めていく。
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