研究課題/領域番号 |
23K27808
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補助金の研究課題番号 |
23H03118 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
門脇 知子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (70336080)
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研究分担者 |
佐藤 啓子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (70410579)
近藤 好夫 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (30581954)
前田 隆浩 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40284674)
大山 要 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (50437860)
川下 由美子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10304958)
五月女 さき子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (20325799)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2026年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2024年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 炎症応答 / Rabタンパク質 / 歯周病 / リスクマーカー / コホート研究 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病の病態形成には複数の宿主因子が複雑に絡み、現時点では進展予測が困難と言われている。Rab44は、本研究代表者らが新規に同定した破骨細胞分化制御因子だが、近年、炎症応答に重要な役割を果たすことがわかってきた。Rab44ノックアウトマウスでは免疫細胞の分化・増殖が抑制され、免疫応答全般が低下する。本研究では、健診コホート集団でのRab44の発現量及び遺伝子型を解析し、歯周病および全身疾患の罹患状況や重篤度と比較分析を行うことで、Rab44の病態との関連性を明らかにする。さらに歯周病動物モデルを作製して、病態形成・進行におけるRab44の役割を実験的に示し、科学的根拠の基盤とする。
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研究実績の概要 |
歯周病は宿主側因子が複雑に絡み、病態進行の予測が困難な疾患である。Rab44は破骨細胞の分化を制御する高分子量Gタンパク質であり、顆粒球系免疫細胞からの炎症性メディエーター放出を制御することもわかってきた。 そこで我々は、Rab44に着目し、歯周病の病態形成・促進への関与とその分子メカニズムを明らかにすることとした。長崎大学では五島市を対象とした「離島・へき地医療に関する大規模コホート研究」を進めている。住民を対象に約3000名の歯科検診を行い、経時的に口腔健康状態を調査・分析するとともに、全身疾患の罹患状況を診査している。さらに健康診断時の残渣血液よりDNAを抽出してバンキングも行っている。本年度は、コホート研究を統括している長崎大学 Nagasaki Islands Study (NaIS)より、歯科疾患の罹患状況や全身疾患状況に関する情報提供を受け、バンキングされたDNA検体保存状況を確認し、解析対象とする検体の絞り込みを行った。そのうえでNaISに対し、研究計画書と保存検体利用の申請を行い、審査・承認を受けたところである。 一方、動物実験モデルとして、Rab44ノックアウトマウス(KO)と野生型マウス(WT)にLPSを投与して炎症を誘導し、LPSを投与しない正常時のWTマウス、KOマウスを含めた4群を準備し、採取した骨髄細胞を用いて、シングルセルRNA-seq解析を行った。その結果、Rab44ノックアウトマウスと野生型マウスでは、炎症応答時の細胞分化に違いが認められることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
五島コホートを行っているNaISより、研究計画の承認と検体の使用許可を得て、当初計画していた解析に進みつつある。また、動物実験においても新たな結果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、「離島・へき地医療に関する五島コホート研究」NaISより、歯科疾患罹患状況ならびに全身疾患状況に関する情報と、保存されたDNA検体の供与を受け、Rab44の遺伝子多型を解析を開始し、口腔健康状態との相関解析を進める。 また、シングルセルRNA-seq解析の結果を基に、Rab44ノックアウトマウスでの炎症誘導時の免疫細胞分化・増殖を野生型と比較解析して、Rab44の炎症応答関与における分子メカニズムに迫る予定である。
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