研究課題/領域番号 |
23K27817
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補助金の研究課題番号 |
23H03127 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 洋介 京都大学, 医学研究科, 教授 (30583190)
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研究分担者 |
脇田 貴文 関西大学, 社会学部, 教授 (60456861)
福原 俊一 京都大学, 医学研究科, 研究員 (30238505)
山崎 大 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (90836032)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2026年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | QOL / 多併存疾患 / 疾患特異的尺度 / 包括的尺度 / QOL / 多疾患併存 / 臨床予測モデル |
研究開始時の研究の概要 |
Multimorbidity(多疾患併存、以下MM)は、世界の高齢化に伴い、医療領域において、従来の臓器別専門医療では解決困難な未曾有の課題として急浮上してきた。まず各患者のMMの程度をより精緻に把握することが必要である。そのために疾患の種類にとらわれない標準化した重みづけ指標が必要であるが、未だ報告がない。 そこで本研究では、一般住民集団および住民コホートに基づくMM患者を対象として、1)MMの精緻な定量化におけるQOLの有用性、2)革新的なQOL評価法に基づくMM患者の予後(要介護度、死亡、将来のQOL, 医療費など)予測モデルの開発・検証、3)測定結果フィードバックの試行を行う。
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研究実績の概要 |
Multimorbidity(多疾患併存、以下MM)は、世界の高齢化に伴い、医療領域において、従来の臓器別専門医療では解決困難な未曾有の課題として急浮上してきた。その課題の解決には、一般住民集団での併存疾患の程度をQOL指標との関連性の文脈において把握することが必要である。疾患の種類にとらわれないQOLを考慮した指標などの必要性が想定されるが、未だ報告がない。 そこで本研究では、一般住民集団および住民コホートに基づくMM患者を対象として、1)MMの精緻な定量化におけるQOLの有用性、2)革新的なQOL評価法に基づくMM患者の予後予測モデルの開発・検証、を行うことを目指している。 このような課題を踏まえ、本年度は以下のことを実施した。 一般住民集団(多併存疾患患者を含む)に対するQOL重みづけの検証:質問紙調査を実施し、各種QOL尺度、疾患数、社会学的因子、その他の背景因子を収集した。同時に、記述疫学、ならびに因子構造の確認・信頼性係数の推定などに必要な解析計画を作成した。なお、自然言語処理に基づくQOL評価法も実施しており、QOLが妨げられる程度を、半構造化された枠組みでの短いフリーテキストで質問を行った。そのスコアリングのための変数と既存のQOLスコアとを比較検証するためのデータ収集を完了した。また、項目応答理論を活用し、低負担かつ精度の高いスコアリングを行うための方法について研究者間で議論を行い、とるべき手法についてコンセンサスを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で使用予定である疾患特異的尺度QDISについては、2023年度は質問票調査のボリュームの観点からこれ以上の追加項目をいれると回答精度に影響することが考えられたため、2024年度以降に実施することとした。ただしすでに検証は別データで随時行っており、今年度以降は全体を通じて当初計画通りの進捗が見込めるものと考える。 また、地域コホートにおける質問票調査については2024年度に実施することを予定しており現在自治体と調整をすすめているところであるが、自治体との調整の状況によっては開始が遅れる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
・多疾患併存患者の各疾患に対するQOL重みづけの検証 2023年度に取得したデータならびに、次年度以降も実施する質問紙調査に基づくデータの分析を実施し、各種QOL尺度、疾患重症度、服薬情報、属性などを収集する。スコア分布や経時的な変化、因子構造の確認、信頼性係数の推定を行う。なお、自然言語処理に基づくQOL評価法では、そのスコア推定値と既存のQOLスコアとを本年度研究者間で討議を行いコンセンサスを得られた手法でもって比較検証する。また、併存疾患を有する患者に対して、全体のQOLを各疾患のQOLスコアでどの程度説明できるかをも検討する。多変量解析によるモデル構築を行い、さらには項目応答理論を活用し、低負担かつ精度の高いスコアリングを目指す。 ・革新的な疾患特異的QOL評価に基づく個人レベルでの予後予測の検証 縦断研究にて実施する。上記集団のベースラインデータに加え、これまでの科研費の成果をも活用し、包括的QOLの悪化をアウトカムとした、機械学習も含めたモデルを構築する。具体的には、QOLで重みづけされた併存疾患に関する変数を予測因子、包括的QOL悪化を含む各種転帰をアウトカムとし、各予後を予測するモデルを開発、外的に検証する。最終的には、得られた予後予測モデルやQOLで重みづけされた併存疾患の情報を活用した予防介入や意思決定のための社会実装の可能性を探る。
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