研究課題/領域番号 |
23K27826
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補助金の研究課題番号 |
23H03136 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
福田 龍将 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (80820042)
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研究分担者 |
志賀 隆 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (20746218)
関口 浩至 琉球大学, 医学部, 准教授 (30842215)
中村 謙介 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (50466760)
井口 竜太 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60744026)
近藤 豊 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (90642091)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2025年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 救急医療 / 働き方改革 / タスクシフト / 救急救命士 / 看護師 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国では働き方改革が推進されており、2024年には医師にも時間外労働の上限規制が適用される。これは休日・夜間等の時間外救急医療体制の整備を推進してきたわが国の医療計画と相反しうるもので、救急医療に与える影響は甚大である。本研究は、救急救命士や看護師へのタスク・シフティング/シェアリングの1)現状調査と国際比較、2)既存レジストリデータを用いた効果検証 、3)多施設前向き臨床研究の三本柱で構成され、多面的・多角的分析に基づき、救急医療の質を維持した働き方改革を実現するための実効性あるスキーム構築の基盤エビデンス創生に挑戦するこれまでにない極めて重要な研究である。
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研究実績の概要 |
わが国では働き方改革が推進されており、2024年には医師にも時間外労働の上限規制が適用される。これは休日・夜間等の時間外救急医療体制の整備を推進してきたわが国の医療計画と相反しうるもので、救急医療に与える影響は甚大である。 本研究の目的は、診療看護師や病院救命士へのタスク・シフティング/シェアリングの効果を多面的・多角的に分析することにより、救急医療の質を維持したまま医師の働き方改革を実現する実効性のあるスキームを構築する基盤となる根拠を創生することで、救急救命士や看護師へのタスク・シフティング/シェアリングの1) 現状調査、2) 既存レジストリデータを用いた効果検証、3) 臨床研究を同時進行で行うものである。 最も緊急度や重症度が高く、かつ高度で専門的な医療を要す外傷性院外心停止を対象とした既存レジストリデータ(消防庁救急蘇生統計)を用いた検討では、プレホスピタルにおける高度気道管理は1ヶ月後生存の減少と関連があることが明らかとなり、救急蘇生における救急救命士へのタスクシフトは必ずしも奏効しない可能性が示唆された。一方、外傷性心停止における人工呼吸と転帰の関係の検討では、人工呼吸の有無は転帰と関連がないことが明らかとなり、プレホスピタルでの蘇生においては呼吸管理は必ずしも重要ではない可能性が示唆された。 また、救急救命士や看護師へのタスク・シフティング/シェアリングの現状調査として、沖縄県の病院を対象としたアンケート調査を遂行中である。 また、診療看護師へのタスク・シフティング/シェアリングの効果を検証するため、診療看護師の救急医療への関与と病院滞在時間の関連を検討する観察研究を遂行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、当初より3年度にわたる段階的な研究の実行を計画しており、初年度においては概ね予定通り研究を進めることができた。次年度は救急救命士や看護師へのタスク・シフティング/シェアリングの現状調査、および観察研究による効果検証の継続的な遂行を行い、また、既存のレジストリデータを用いた救急救命士や看護師へのタスク・シフティング/シェアリングの効果検証では、初年度の研究結果を受けての二段階目の研究を実行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の計画通り、救急救命士や看護師へのタスク・シフティング/シェアリングの現状調査、および観察研究による効果検証においては、初年度から継続して研究課題の遂行を行いつつ、既存のレジストリデータを用いた救急救命士や看護師へのタスク・シフティング/シェアリングの効果検証においては、初年度の一段階目の研究結果を受けて二段階目の研究を行う予定である。 二段階目の研究としては、救急救命士や看護師へのタスク・シフティング/シェアリングが治療効果に影響を及ぼしうる特定の条件(特定行為の種類、患者 の病態、診療チームの構成など) の同定、また、セッティングごと(プレホスピタル、救急外来、集中治療室) の効果分析を計画している。 本調査により、看護師や病院救命士へのタスク・シフティング/シェアリングの効果を多面的・多角的に分析し、救急医療の質を維持したまま医師の働き方改革を実現するための実効性のあるスキームの構築を目指す。
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