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非病原性フラビウイルスを用いた広域交差性エピトープの解析とワクチン開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K27831
補助金の研究課題番号 23H03141 (2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2023)
応募区分一般
審査区分 小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
研究機関北海道大学

研究代表者

大場 靖子  北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 教授 (60507169)

研究分担者 福原 秀雄  北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 准教授 (80707191)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
キーワードフラビウイルス / 抗体 / 昆虫特異的ウイルス / ワクチン / 抗体依存性感染増強 / 昆虫特異的フラビウイルス / ADE
研究開始時の研究の概要

本研究では、ヒトには感染しない非病原性の昆虫特異的フラビウイルス(ISFs)を用いて、抗体依存性感染増強ADEを誘導しないフラビウイルスワクチン抗原の開発を試みる。ISF抗原で誘導される広域交差性抗体とフラビウイルス抗原との立体構造を踏まえた結合様式を解析し、ADEに関与するエピトープを同定した上で、ADEのリスクを排除したワクチン抗原の開発を目指す

研究実績の概要

ISFV-IIに対するモノクローナル抗体作製のためのマウス免疫用の抗原として、ISFV-IIであるPsorophora virus(PSFV)を蚊培養細胞であるC6/36細胞を用いて増殖させ、20%ショ糖クッション法にてウイルスの濃縮を行い抗原とした。続いて、抗原を免疫したマウスの脾臓から、抗原特異的B細胞受容体を発現している胚中心由来B細胞をソーティングにより単離するためのプローブの作出を試みた。PSFVのCapsid(C)、precursor membrane(prM)並びにEnvelope(E)タンパク質から構成されるウイルス様粒子(VLP)の発現コンストラクトを作出し、哺乳類由来培養細胞を用いて発現させたVLPに蛍光標識することでプローブとした。また、胚中心由来B細胞をソーティングするための方法の最適化、また単離したB細胞の単細胞培養の方法を最適化した。フラビウイルスの中和試験並びにADE試験を迅速且つ高感度に判定するために、ウイルスを用いた試験法の代替試験法として、一回感染粒子(SRIP)を用いた試験の構築を試みた。SRIP作製のために、West Nile virus(WNV)由来のRepliconを発現するプラスミド、WNV由来のCタンパク質、並びに各フラビウイルスのprMEを発現するプラスミドを作出した。これらのプラスミドを哺乳類培養細胞に共発現させることでSRIPを作出し、中和試験法、並びにADE試験法を構築した。また、クライオ電子顕微鏡を用いてISFV-IIの構造解析を実施するためのウイルスを精製した。ショ糖クッション法にて濃縮したPSFVを密度勾配遠心法にて密度別にフラクションを回収し、PSFV抗原陽性だったフラクションを限外濾過膜にて濃縮した。PSFV抗原用性フラクションをさらにショ糖密度勾配遠心法によって精製したサンプルについて現在解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、ISFsと病原性フラビウイルスに交差性を示す広域交差モノクローナル抗体を取得することを目標としており、B細胞シングルセル培養による抗体取得法の確立に際して必要な解析系のセットアップに予想以上に時間を要しているが、その間効率的なSRIPの産生系の開発と中和やADE活性測定のアッセイ系を確立した。

今後の研究の推進方策

昆虫特異的フラビウイルス(ISF)と病原性フラビウイルスに交差性を示す広域交差モノクローナル抗体を取得するため、ISF抗体産生B細胞を培養上清のELISAにより選別し、各V(D)R遺伝子情報を基に、組換えヒトIgG抗体を作出する。得られた広域交差抗体が認識するフラビウイルスの結合エピトープを明らかにするため、エピトープマッピングによる結合エピトープの同定、およびクライオ電子顕微鏡により立体構造を踏まえた結合エピトープ解析を実施する。
新たに同定したISF交差性のADEエピトープと、既知のADE及び中和エピトープの情報を基に、ISFをプラットフォームとしたワクチン抗原を構築する。ADEエピトープを除去したDENV, ZIKV等のM/Eタンパク質を持つキメラウイルスを作出し、ワクチン抗原としての感染抑制効果、および抗原と異なるフラビウイルス感染時の感染増強の有無をこれまでに確立したアッセイ系を用いて検証する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] 国立アイルランド大学ダブリン校(アイルランド)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] ザンビア大学(ザンビア)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] Gabriel Rene Moreno大学(ボリビア)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] Development of flavivirus subviral particles with low cross-reactivity by mutations of a distinct antigenic domain2023

    • 著者名/発表者名
      Tabata K, Itakura Y, Ariizumi T, Igarashi M, Kobayashi H, Intaruck K, Kishimoto M, Kobayashi S, Hall WW, Sasaki M, Sawa H, Orba Y.
    • 雑誌名

      Applied Microbiology and Biotechnology

      巻: 107 号: 24 ページ: 7515-7529

    • DOI

      10.1007/s00253-023-12817-5

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 蚊特異的フラビウイルスにおける温度依存的な感染許容機構2023

    • 著者名/発表者名
      小林広子、田畑耕史郎、佐々木道仁、澤洋文、大場靖子
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-18   更新日: 2024-12-25  

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