研究課題/領域番号 |
23K27855
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補助金の研究課題番号 |
23H03165 (2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
久松 隆史 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60710449)
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研究分担者 |
矢野 裕一朗 順天堂大学, 医学部, 教授 (10586241)
有馬 久富 福岡大学, 医学部, 教授 (20437784)
絹田 皆子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20895297)
大久保 孝義 帝京大学, 医学部, 教授 (60344652)
児島 克英 岡山大学, 大学病院, 助教 (60509446)
佐藤 敦 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (60816263)
福田 茉莉 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70706663)
佐藤 倫広 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (70717892)
神田 秀幸 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80294370)
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2026年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 認知症 / フレイル / 動脈硬化 / 懸鼓格差 / 健康格差 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、腸内環境とヒトの健康との関連に注目が集まっているが、腸内細菌叢組成が脳の変性や動脈硬化進展など各種病態に及ぼす影響の検討は国内では未だ乏しい。健常一般住民を対象とした東西4つのコホートデータを統合し、腸内細菌叢組成と認知機能低下、画像検査に基づく脳領域別萎縮や潜在性動脈硬化(脳血管・冠動脈・大動脈・頸動脈)、フレイルとの関連を検討する。更にコホート比較から、これらの地域格差を明らかにし、格差の要因について腸内細菌叢組成を含め詳細に検討する。腸内細菌叢という視点から、認知症・動脈硬化性疾患・フレイルの一層の予防対策を目指した健康寿命の延伸と地域間の健康格差の縮小に資する研究である。
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研究実績の概要 |
東西4地域(大迫・草津・益田・福岡)の一般住民コホート研究:40歳以上の健常な一般住民を対象に、認知機能検査、頭部MRI・冠動脈CT・大動脈CT・頸動脈エコー等の脳萎縮・潜在性動脈硬化に関する調査、フレイル調査、詳細な生活習慣・社会経済的要因に関する問診、栄養調査、身体・血圧計測、血液尿検査、活動量評価、等の調査を継続して実施した。これら調査は、各コホートにおいて順次精度管理を行いつつ測定を実施した。画像診断や血液検査等の結果は、医師が最終判定を行い、コメントと共に対象者に返却した。 腸内細菌の同定(大迫・草津・益田・福岡): 便検体の採取を行い、DNA抽出を行った。便DNA抽出検体から、次世代シークエンサーを用いて、細菌がもつ16S rRNA遺伝子のV3-V4領域を系統的に解析し、属・種およびOTU(Operational Taxonomic Unit)を定量的に測定を行った。 認知機能検査(大迫・草津・益田):訓練された調査者が実施し、結果から認知機能低下を判定した。頭部MRI検査(大迫・草津・益田): 3DT1調画像・T2強調画像・T2-STAR・FLAIR・3D-MRAなど多彩な撮像方法を用いて実施した。脳外科専門医が、無症候性脳血管障害(ラクナ梗塞、大脳白質病変、微小出血、脳動脈狭窄)を定性的・定量的に評価した。CT検査(草津・福岡): 訓練を受けた研究者が、CT画像に基づいて冠動脈・大動脈の石灰化をAgatstonスコアにより定量的に評価した。フレイル調査(大迫・草津・益田・福岡): 訓練された調査者が、厚生労働省基本チェックリスト、日本版Cardiovascular Health Study基準に基づいて評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各コホートにおいて、認知機能検査、頭部MRI・胸腹部CT・頸動脈エコーなど脳萎縮・潜在性動脈硬化に関する画像検査、フレイル調査、生活習慣・社会的要因に関する問診、血液尿検査、等を継続して実施してきた。既に確立された研究基盤、地域住民と研究者の信頼関係(高い実行可能性)、既にある多種多彩なデータ、コホート間で標準化された調査手法に基づいて、腸内細菌叢と認知症・動脈硬化・フレイルに関する研究を順調に展開できている。腸内細菌検査については、草津コホートで800名程度、益田コホートで250名程度、福岡コホートで650名程度実施した。
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今後の研究の推進方策 |
各コホートは極めて多彩で詳細な調査を実施しており、対象者1人当たり調査には丸1-2日間を要する。各コホートとも年間150名程度のペースでの実施が計画されている。従って、年間約600名(各コホート約150名)、最終年度は年間約200名(各コホート約50名)、本申請の4年間(令和5-8年)で約2000名(各コホート約500名)の腸内細菌検査の実施を計画する。 東西4地域(大迫・草津・益田・福岡)の一般住民コホート研究において、引き続き40歳以上の健常な一般住民を対象に、認知機能検査、頭部MRI・冠動脈CT・大動脈CT・頸動脈エコー等の脳萎縮・潜在性動脈硬化に関する調査、フレイル調査、詳細な生活習慣・社会経済的要因に関する問診、栄養調査、身体・血圧計測、血液尿検査、活動量評価、腸内細菌検査、等の調査を継続して実施する。 収集したデータは順次データクリーニングし、令和8年度第1三半期までに収集した各コホートのデータを統合した統合データベースを作成する。統合データベースに基づいて、腸内細菌叢組成と認知機能低下、画像検査に基づく脳領域別萎縮や潜在性動脈硬化(脳血管・冠動脈・大動脈・頸動脈)、フレイルとの関連を検討する。さらにコホート比較から、これらの地域格差を明らかにし、格差の要因について腸内細菌叢組成を含め詳細に検討する。解析結果をもとに、漸次、国内外の学会や国際専門誌等で研究成果を公表する。各コホートのホームページ等で、メディアや一般市民にもわかりやすい形で研究成果を公表・解説する。
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